第10回 生産緑地の2022年問題について

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江幡 吉昭

2018-10-04

第10回 生産緑地の2022年問題について

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今回は拙著でも取り上げておりましたが、生産緑地の2022年問題について取り上げたいと思います。

私が考える結論は「生産緑地の2022年問題は何も起きずにスルーされる」のではないかと考えています。

そもそも生産緑地とは何でしょうか?

1992年に改正生産緑地法が施工されたのですが、「生産緑地に指定された農地は農業を営むことを前提に固定資産税の減免、相続税の納税猶予が適用される」というものです。(相続税の納税猶予は受けている人と、受けていない人も存在しますが。)

ちょうど2022年で30年が経過し、そこで一区切りとして「行政に対して土地保有者が土地を買い取るように求めることができる」ようになるのです。そこで一斉に土地保有者が行政に買い取りを請求し生産緑地が宅地化された場合、「土地の値段が下がるのではないか?」というのが2022年問題です。

ちなみに生産緑地指定を受けた土地は全国に13,000ヘクタールもあり、東京都では東京ドーム約700個分(3500ヘクタール)土地が市場に供給された場合、不動産価格に大きな下落バイアスがかかるのでは?ということです。

しかし結論は「何も起きない可能性の方が高い」と考えています。理由は2つです。

まず第一に生産緑地の大部分は地主が保有しています。地主自体は先祖伝来の土地を売却することを積極的には致しません。よって自分が生きているうちにお金に困っているわけではないので、相続税を払えと言われたわけでもない状況で、土地を行政に買い取り請求はしないのではないかということです。

第二に、(恐らくこちらの方が理由としては大きいですが)2017年6月に都市緑地法等の一部が改正され、たとえ30年が経過した生産緑地についても更新すれば10年継続することができ、固定資産税の大幅負担増を避けることができるようになりました。要は先送りをすることができるようになったということです。買い取りの申し出をし、土地を売却したり、有効活用するには相続税の納税猶予が即座に打ち切られるデメリットが非常に大きく、普通に考えれば、現状維持を選択する農家の方が多いのではないでしょうか。

「2022年問題で土地が暴落する」というような記事が散見されますが、大体が不動産業者による記事が多く、土地保有者の不安をあおりますが、実際は無風で過ぎていくのではないかと考えています。 

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