今週発売(9月24日発売)の週刊文春の特集「コロナで変わった死後の手続き最新版」の2週目の取材を受けました。今回は企画自体がボツになったため、文春に話した内容と自分なりに考えた「コロナと相続」について2回にわたって書いてみたいと思います。
<目次>
1.相続前の手続きはコロナでどう変わった?
2.コロナにならずに入院して死亡した場合
3.コロナになって死亡した場合は?
4.相続後の手続きはコロナでどう変わった?
1.相続前の手続きはコロナでどう変わった?
まず『相続発生前』の手続きです。
コロナ後、関係各社の対応はどれも迅速だと感じます。
例えば『保険金の支払い』。コロナで入院した場合の保険金の支払いは各社1週間経過しないスピードで支払われています。
また、お役所でも「コロナで必要(新型コロナ関連制度融資等)」と言うと印鑑証明書を無料で取得することができます。このあたりは行政も含めて柔軟に対応していると感じられます。
一方で、前述の新型コロナ関連制度融資(商工中金、日本政策金融公庫、銀行等が行うもの)に関しては融資を受ける業種によって異なりますが、『迅速に融資が実行されている』と言い難いのが現状です。特に銀行はかなり遅く融資が着金されるまで『数か月待ち』の場合も。現在、コロナ関連制度融資の話題はほぼ出てきませんし、今は「GoToキャンペーン」真っ盛りですが、コロナ融資はまだ終わっていません。そういう意味では個人事業主や中小企業の方は、短期資金を融通するために生命保険の契約者貸付はまだまだ有効でしょう。
2.コロナにならずに入院して死亡した場合
次に、コロナにならずに入院して死亡した場合です。これは特に病院で亡くなった場合、死因がコロナでなくともご遺体に会える時間が制限されるようになっています。新型コロナウイルスが菌を最も多くまき散らすのは『亡くなったとき』。そのため、『万が一、コロナを保菌していた場合を考慮』し、故人の面会は完全防護(頭巾、マスク、フェイスガード、下も防護服等)はもちろん、遺族の面会は「数分交代」などと制限され、十分なお別れができないといったケースも増えています。
また、直接相続に関わる話ではありませんが、皆様がコロナ感染が疑われた場合、事前に入院準備をしてから、かかりつけ医に行きましょう。従来は「紹介状を書いてもらってから後日、大病院で検査」というステップでした。ところがコロナ感染が疑われると「①かかりつけ医に診てもらう→②コロナの疑いありで大病院に即紹介でそのまま検査→③コロナなら即入院」となります。一度コロナで入院すると原則、荷物を持ちこめないし、出すことも出来ません。理由は『コロナ保菌者のモノも菌が付着している可能性が高く、入院後、色々なものを家族から持ち込まれても保菌物が増えるだけ』だからです。
即入院となった場合、2週間ただひたすら「テレビを見るか、ケータイを見るか」しかないヒマな状態が続いてしまいます。(ゴロゴロするのが好きな人にとっては天国です)
しかも、コロナは一人一人の患者が完全隔離(個室)なため、事前に入院準備をしてこなければ孤独な隔離生活を送ることになります。(現時点では第二種伝染病のため、入院費用や食事代も無料で、もちろん個室代も無料となります。発生する費用はパジャマ、タオル代のみ。それは社会保険料財政が傾くよな、という言い方もできますよね…)
今回はここまでです。
コロナで亡くなった場合の相続に関する変更点は次回述べたいと思います。