第54回 Q&A式ケーススタディー 

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貞方 大輔

2022-09-21

第54回  Q&A式ケーススタディー 

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【前提】
・長男、長女、次男の3人兄弟がいる。
・両親はすでに他界している。
・独身だった次男が死亡した。独身だったが内縁の妻がいた。
・次男は死亡保険金1,000万円の生命保険に加入しており、その保険金受取人は内縁の妻になっていた。

<Q1> 次男の相続人は誰?内縁の妻も相続人になる?

<A1>
次男には配偶者、子、親がいませんので相続人は第3順位である兄弟姉妹、つまり今回のケースでは長男と長女の2人です。内縁の妻は、どれだけ長い(深い)関係にあったとしても相続人にはなりません。遺産を相続する権利がないため、遺産分割協議に参加することすらできません。内縁の妻に遺産を遺したいのであれば、籍を入れて(=婚姻して)法律上の夫婦になるか、遺言で遺贈するかです。(内縁の妻が年下であれば養子縁組をして、内縁の妻を養子にすれば、唯一の相続人として相続させることができますが、そうするよりは正式な夫婦になる方が現実的でしょう。)
兄弟姉妹には遺留分(=最低限、相続することができる権利のこと)がありませんので、遺言で「すべての財産を●●●●(内縁の妻)に遺贈する」とすれば、そのとおりに実現できるのです。兄弟姉妹間の相続において、遺言の存在は特に重要といえます。

<Q2> 内縁の妻が受け取る死亡保険金1,000万円に、生命保険の非課税枠(500万円×法定相続人の数)は使える?

<A2>
生命保険の非課税枠(500万円×法定相続人の数)が使えるのは、あくまで相続人が死亡保険金を受け取った場合です。内縁の妻は相続人ではありませんので、非課税枠を使うことはできません。よって、この死亡保険金1,000万円は、“1,000万円というお金”を内縁の妻が相続により受け取ったものとみなして、相続税の課税対象財産となります。
一方、長男、長女側からすれば、非課税枠が使えないということは、この1,000万円は現預金と同じで丸々相続税の課税対象財産になる訳ですから、それによって、相続税の基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えてしまい、相続税の申告ならびに納税が必要になってしまうといったことにもなってしまう可能性があります。あまり良い気持ちはしないかもしれませんね。とはいえ、兄弟姉妹よりも内縁の妻を受取人にしたいというお気持ちは分かりますが。

<Q3> 兄弟姉妹や第三者(内縁の妻を含む)が相続税を納税する場合、相続税は何割増し?

<A3>
「相続税の2割加算」というものがあります。
相続や遺贈(遺言による譲り受け)により財産を受け取った人が、被相続人(亡くなった人)の一親等の血族および配偶者以外である場合、相続税が2割加算されます。
一親等の血族とは、両親ならびに子(養子を含む)です。
例えば、以下の人は2割加算の対象になります。
①兄弟姉妹
②代襲相続人ではない孫
※代襲相続人である孫を養子にした場合は、2割加算の対象外となります。
③第三者(内縁の妻など)
よって、今回のケースでいえば、長男、長女、内縁の妻全員が2割増しで相続税を納税することになります。

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貞方 大輔

立命館大学卒業後、大手生保を経て、アレース・ファミリーオフィスへ入社。
一般社団法人相続終活専門協会 代表理事

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