第69回 資産税(相続税・贈与税)の増税方向は不可避?!

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江幡 吉昭

2021-03-26

第69回 資産税(相続税・贈与税)の増税方向は不可避?!

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先日私が幻冬舎に書いた原稿がYahoo!ニュースに転載され、それなりに読まれたようなので、もう少しわかりやすく解説したいと思います。

新型コロナもワクチンの開発によって、世界中の感染者数が減ってきました。そしてアフターコロナに関する話題がチラホラ出てきています。そこで相続税を払うような人にとって『ほぼ確定的な未来』についてお話ししたいと思います。それは相続税の増税、お金持ちに対する増税です。

皆さんご存じの通り、新型コロナによる国民の生活を支援するため、アメリカでは追加経済対策で一人1,400ドル(15万円)の追加で国民にお金をばら撒くことが決定しました。日本でも昨年一人10万円などを国が支出しています。このようなかつてない財政出動により、世界中の政府債務(つまり国の借金)は第二次世界大戦時以上に膨れ上がっています。これらの国の借金はお金が回っているうちは問題ありません。しかし、長い目で見ればリスクとして台頭してくる可能性があります。よって国家はいつまでもこの状態を放置せずに、コロナが落ち着いたら何らかの対応をすると思います。

通常、国の財政が悪化した場合の対処法は4つ。第一に財政再建。第二に景気を良くすること(税収も増えますし)。第三にインフレ(お金の価値の減価。借金も実質的に減価します)にすること。そして最後にデフォルト(国家破綻)です。基本的に最後の選択肢であるデフォルトは世界的に金融市場がつながっている現代において、最悪の手段となりますので、この選択肢は基本的に『なし』とします。
そこで、現実的に考えられる第一の選択肢である『財政再建に取り掛かりつつ、経済成長を模索する』ということになるでしょう。つまり支出を抑え収入を上げる事を政府は選択するはずです。収入を上げる一番手っ取り早い手段は増税です。とはいえ、『政治家が財政再建を本気でやる場合、選挙には悪影響』です。よって増税は簡単には出来ません。
所得税、法人税、消費税の増税は国民に痛みを伴うため政権与党が選挙で敗北する可能性が高いです。一方、相続税や贈与税に関しては違うでしょう。『資産家から税金を取る』ことであれば、『格差の是正』になりますし、『お金持ちいじめ』という大義名分があり国民の反発もそこそこで済みます。

最近では、相続税がゼロのシンガポールでも政府が財産税(財産に応じて税金を徴収)の導入を検討していることが報じられていますし、アメリカも同様、財産税導入の検討を始めています。コロナで広げた風呂敷をきちんとたたまなければいけないタイミングに差し掛かっているのでお金持ちからの増税は最初に取り掛かりやすいところというわけです。2020年の政府税制調査会では『格差の固定化』を阻むべく、贈与税にも何らかのメスを入れるべく検討を進めると明言されていますし、法人の生命保険を使った富裕層向けの特殊な税金対策である低解約逓増定期保険も今月フタをされることがつい報道されました(15年にわたって使われた節税手法も遂にフタです。)。すでに数年前にも海外に移住することで相続税を逃れていた富裕層に対する移住期間も5年から10年に延長されたことも記憶に新しいところです。これらの『富裕層包囲網』は徐々にその網が絞られてきているのは明らかです。コロナによって更にそのスピードが速まるといったところでしょうか。

こうした大局観を基に、相続税を払うような方はどのように対策を取るべきでしょうか?今までの相続税対策の基本は不動産でした。通常の方は、資産のほとんどが自宅などの不動産ですし、相続税減少の効果が高いのも不動産でした。ところが時代は変わってきており、跳ね上がるビットコイン(なんと1年ちょっと前から比べると価格は16倍以上になっています!)などの仮想通貨や株式市場などの金融マーケットや金利の上昇などインフレを想定した金融の知識、頻繁に変わる税法を含む法律の分野など、総合的な知識を基に富裕層も自衛しないといけない時代になったように感じます。

ちょうど先週、日銀や米FRB(アメリカの中央銀行)もアフターコロナの出口戦略と言っていい、大きな一歩と言うよりは『半歩くらい』踏み出しました。『金融と財政』の両輪のうち、金融はいち早く動き出しています。増税も含めた国の財政もアフターコロナを見据えて動き出す前に、我々も先を想定しながら手を打つべきと考えています。

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江幡 吉昭

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