第26回 申告期限の延長の特例

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田中 誠

2020-03-17

第26回 申告期限の延長の特例

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皆様もすでにご存じの方も多いとは思いますが、以下の通り、令和元年分の確定申告について新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、申告期限と納付期限が令和 2 年 4 月 16 日(木)まで1か月延長されることとなりました。 

〇 申告期限の延長

・所得税
従来  令和 2 年 3 月 16 日(月)
延長後 令和 2 年 4 月 16 日(木)

・個人事業者の消費税
従来  令和 2 年 3 月 31 日(火)
延長後 令和 2 年 4 月 16 日(木)

・贈与税
従来  令和 2 年 3 月 16 日(月)
延長後 令和 2 年 4 月 16 日(木)

そうです。上記所得税、消費税、贈与税がすべて4月16日木曜日まで延長となったわけです。  

〇 納付期限の延長

上記の申告期限の延長に伴い、申告所得税及び個人の消費税の振替納税をご利用されている方の振替日についても延長されました。
・所得税納付日
従来   令和 2 年 4 月 21 日(火)
延長後  令和 2 年 5 月 15 日(金)

・個人事業者の消費税
従来  令和 2 年 4 月 23 日(木)
延長後 令和 2 年 5 月 19 日(火)

申告期限はきれいに3つとも4月16日ですが、納付の振替日は所得税が5月15日である一方、消費税の振替日は5月19日となっていますので、ご注意ください。 

〇申告・納付期限の延長の告示

今回の延長は令和2年3月6日に国税庁長官から告示されました。告示のタイトルは「国税通則法施行令第3条第2項の規定に基づき国税庁長官が同項に規定する対象者の範囲及び期日を定める件」となっています。国税通則法は国税全般に共通するルールを定めた法律となっています。

平成23年の東日本大震災の時も同様に告示があり、確定申告期限が延長になりました。しかし令和2年の延長と平成23年の延長には大きな違いがあります。平成23年時は同法施行令第3条第1項が適用されて延長したのですが、この規定は延長する「場所」が限定されるものになっており、東北の被災地のみ限定されて適用となりました。

それに対して今回の延長は同法施行令第2項を適用して延長しています。この規定には「人」を限定するものになっていますが、告示の際に対象者は限定されることなく一律に延長が決まったのです。これは大変異例かつ柔軟な対応で、多くの税理士は予想できなかったことなのではないかと思います。

令和2年の税制改正では消費税の申告期限の延長が予定されています。こちらは消費税法の中で認められた延長であり、決算が間に合わない納税者に対する救済を目的としています。そのため納付については延長が認められず、納付が遅れた場合には延滞税が課されてしまいますのでご注意ください。

 

〇確定申告最後に

現在は国税庁ホームページに確定申告書等作成コーナーがあり、スマホでも申告ができるようになりました。今まではパソコンがあれば難なく申告できる状態ですが、それがスマホでもできるようになったのです。自分で確定申告を行えば、税理士さんに頼んだ場合の費用を数万円程度、節約になります。時間が多少ある方はチャレンジしてもいいかもしれません。 

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税理士

株式会社タクトコンサルティング入社
税理士法人タクトコンサルティング代表社員就任
平成23年 税理士法人エクラコンサルティング/株式会社エクラコンサルティングを設立
~現在に至る

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