第68回 50代からやっていきたい終活①

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江幡 吉昭

2021-03-19

第68回 50代からやっていきたい終活①

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最近受けたテレビ取材の中で、感じたことを何回かにわたって書いてみたいと思います。

終活と言ったらエンディングノート作成や断捨離が思い浮かびますが、やはりぜひやっておくべきことが1つあります。それは棚卸をするということ。そもそも棚卸ってなんなのでしょうか?倉庫の在庫の数を数えて、何がどの程度あるか?ということです。

1.終活とは棚卸のこと

物の棚卸は断捨離、そして資産と人間関係(特に家族や近しい人)の棚卸が遺言なのです。
この物の棚卸と資産と人間関係の棚卸の前に、なぜ50代でこれらの棚卸をしなければいけないかについて説明したいと思います。

2.なぜ終活は50代で始めなければいけないのか?

それは多くの人にとって、新しいことにチャレンジできる最後の年代が50代だからなのです。何事もそうですが、若いときは新しいことに色々チャレンジすることが出来ました。しかし年齢と共に今までやっていたことは難なくできますが、新しいことをすること自体にどうも体力的にも気力的にも気がすすまないということになってきます。そこで、一般的にはまだ定年まで10年以上ある50代にやるべきこととして人生の棚卸をしてほしいのです。

たとえば遺言。遺言は主に『自分の財産がどこに何があって、誰に引き継ぐのか』を書いたものですが、一度50代で遺言を書くということにチャレンジしておくと、例えば10年経った後、『あ、自宅買い替えたよな、あそこの銀行閉じて、証券会社に口座開いていたよな。自分の財産変わってたよな。遺言書き直そうか』という気が起きます。しかし50代でこの経験をしておかないと、60代や70代になったときに、遺言を書こうとしても単なる『棚卸の一環』ではなく、『大病の一つもしているでしょうから、自分の死について考えさせられてしまうので、どうもやる気が起きない』という事態になってしまいます。ということで心身ともに健康でまだ死に対して漠然とイメージすることができないうちに、早めに手を付けておきましょう。

3.遺言作成は財産と人間関係の棚卸

それではまず第一に人間関係(特に家族や近しい人)の棚卸が遺言だと冒頭で言いましたが、これについて解説したいと思います。
遺言は『自分の資産がどこにどのくらいあるのか?』をまずは調べます。そして、資産の棚卸が終わったら、『その資産をだれに何を残すのか。』を指定する作業があります。自分にとって誰が大切なのかという家族(近しい人)の棚卸にもつながる作業なのです。そうすることで自分に何があって、誰を大切に思っているか改めて考えさせる『棚卸』になるのです。商売や仕事だと『棚卸』は頻繁にすることになりますが、こと、自分自身にとってはなかなか億劫なこの棚卸、自分自身を見つめなおすためにも必要な作業と言えるでしょう。

それ以外にも早めに遺言を書く必要があります。それは終活の中で唯一、自分でしかできないことが遺言を作成することなのです。物の断捨離などは極端な話、自分が亡くなった後、遺族が業者にお金を払えば出来ることなのですが、遺言はそうではありません。必ず『生前に自分が意思を持ってしなければ、できない唯一のこと』なのです。死んだあとに遺言はかけませんよね?そういうことなのです。次回はモノの断捨離という棚卸について書いてみたいと思います。これも遺言の次に、物の棚卸として必要なものと言えるでしょう。

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