第5回 相続する?しない?の熟慮期間は延長できます。(新型コロナ対応)

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貞方 大輔

2020-09-01

第5回 相続する?しない?の熟慮期間は延長できます。(新型コロナ対応)

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新型コロナウイルス感染症の影響により、相続人が期限までに相続税の申告・納付ができないやむを得ない理由がある場合には、個別に申請することにより期限の延長が認められるということを以前ご紹介しました。
<ご参考>第1回 新型コロナウイルスによる相続税の申告・納付の延長について(2020.5.22)

3か月の熟慮期間内”に決めるべきこと

相続税の申告・納付は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に行うことになりますが、その10か月よりもずいぶん前に決めないといけないとても大事なことがありましたよね。そうです、相続するのか、しないのかを決めなければなりませんでしたよね。
相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から“3か月の熟慮期間内”に、単純承認、限定承認、相続放棄のいずれかをしなければなりません。なお、何もしなければ、単純承認したものとみなされます。(単純承認、限定承認、相続放棄については、これまで何度もご紹介してきましたので、ここでは割愛します。)
要は、相続人が相続放棄や限定承認をする場合には、原則として、相続の開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所でその旨を申述しなければならないのです。

熟慮期間は延長できる

一方で、その熟慮期間の延長の申立てをすることができます。
※熟慮期間の延長の申立て自体は、従来より民法915条但し書きにて規定されています。(新型コロナウイルスに関わらず、熟慮期間内に相続人が相続財産の状況を調査しても、なお、単純承認、限定承認又は相続放棄のいずれをするかを決定できない場合には、申立てにより、家庭裁判所はこの3か月の熟慮期間を伸長することができる。)

さて、法務省のホームページには以下のとおり掲載されています。

新型コロナウイルス感染症に関連して、相続放棄等の熟慮期間の延長を希望する方へ
親族が亡くなったにもかかわらず、新型コロナウイルス感染症の影響により熟慮期間(相続の承認又は放棄をすべき期間)内に相続の承認又は放棄をすることができない場合には、この期間を延長するため、家庭裁判所に申立てをすることができます。

相続放棄をすべきか否か…非常に大きな決断、分かれ道となります。
新型コロナウイルスに感染した場合はもちろん、感染拡大の影響により外出できない、債務を含めた相続財産を調査できないといった場合には、当然に延長する必要が出てくることでしょう。

熟慮期間を延長するには、どのような手続きが必要?

手続きとしては、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申立てをします。郵送でもできます。
なお、この熟慮期間は相続人ごとに進行しますので相続人全員で検討のうえ、申立てすることをおすすめします。
申立人や必要書類などの詳細については、最高裁判所ウェブサイトをご覧ください。
https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_25/index.html

熟慮期間の延長の申立てをしないままだとどうなる?

熟慮期間の延長の申立てをせず、この期間内に相続放棄又は限定承認をしなかったときは、単純承認をしたものとみなされます。つまり、被相続人の財産と借金などの債務をすべて引き継ぐことになります。

早めに専門家へのご相談を!

新型コロナウイルスの影響はまだまだ収まる気配がありません。冬に向けて、さらに猛威を振るう可能性もあります。相続の手続きは非常に手間と時間がかかるものです。その一方で、緊急事態宣言下では、金融機関、市区役所、法務局なども人員を減らして業務を行ってきました。相続に必要なたくさんの書類を収集するのも一段と苦労することが考えられます。
熟慮期間や相続税の申告・納付期限の延長はできるとはいえ、これまで以上のスピード感で相続の手続きを進めていくことが求められてくるのではないかと感じています。もちろん新型コロナウイルスから命を守ることを最優先に。手遅れになることがないように、早めに相続の専門家にご相談されることをおすすめします。

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貞方 大輔

立命館大学卒業後、大手生保を経て、アレース・ファミリーオフィスへ入社。取締役西日本支社長。

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