東京都内の路線価は前年比5%上昇
2020年7月1日の日経新聞では『東京国税局が1日発表した東京都内の2020年の路線価は前年比5.0%上昇。7年連続の上昇で、上昇率も前年(4.9%上昇)を上回った。』とあります。
コロナの状況でも路線価が上がってしまう理由は、路線価の評価が、2020年の1月1日時点だからです。
路線価の決定方法
土地の評価は一物五価と言われるように、その評価方法は目的に応じて複数の方法があります。「実勢価格」、「公示地価」、「基準地価」、「固定資産税評価額」、「路線価」です。
主なものを以下にご紹介いたします。
2020年(令和2年)の路線価
令和2年の国税庁のホームページでは『今後、国土交通省が発表する都道府県地価調査の状況などにより、広範な地域で大幅な地価下落が確認された場合、納税者の皆様の申告の便宜を図る方法を幅広く検討する。』という記載が追加されました。この調査とは基準地価の調査のことで、7月1日を基準日として地価が算定されます。今年の状況を鑑み、1月から6月までの地価の下落状況を路線価に基づいた評価に反映させることを意識しているのでしょう。
2020年(令和2年)に発生した相続税申告の問題点
相続財産は、被相続人の死亡時の価値で評価されます。今年の1月1日から12月31日の間に相続が発生した場合、路線価は今年(2020年)の路線価を使います。前記のような補正が加わる場合には、今年の何月に相続が発生したかによって評価額に差が生じることになると予想されます。コロナウィルスの影響で地価下落が大きくなり、相続税額が当初予想より低くなるかもしれません。
しかし、路線価の補正の発表は、今年中には間に合わないかもしれません。なぜなら、通常の路線価の発表には6か月の期間を要していますので、単純に今回の補正に当てはめると7月1日の6か月後、2021年(令和3年)1月1日になってしまいます。相続税の申告期限は相続が発生した日の翌日から10か月以内とされていますので、補正を待っていると期限内に申告が完了できないかもしれません。現状は、コロナウィルスの影響での相続税の申告期限の延長は個別申請ですが、延長される可能性もあるかもしれません。
相続税の試算に必要な資料
ご相続のご相談の際は、「直近の固定資産税納税通知書、3年分の確定申告書」、法人をお持ちの際は、「3年分の決算書」もご準備いただければと存じます。
税理士
株式会社タクトコンサルティング入社
税理士法人タクトコンサルティング代表社員就任
平成23年 税理士法人エクラコンサルティング/株式会社エクラコンサルティングを設立
~現在に至る