新型コロナウイルスの感染拡大を受け、個人の確定申告期限が1カ月間延長されたり、国税の納税猶予制度が設けられたりと、税務上の手続きにも影響が及んでいます。
相続税に関しても、期限までに申告・納付ができない場合には、個別に期限の延長ができるようになっています。緊急事態宣言が徐々に解除されるなど、ようやく状況が落ち着いてきたようにも見えますが、第2波、第3波襲来の危険性も大いにはらんでいるとも言われ、まだまだ予断を許さない状況が続くと思われますので、ぜひ頭の片隅に入れておいていただければと思います。相続はいつ自分の身に訪れるか分からないのですから。
なお、行政でも柔軟な対応がなされており、例えば印鑑証明書の発行も通常200円~300円(市区町村によって異なる)かかりますが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う融資や貸付、各種支援制度等の手続きに必要な場合は、無料となっています。(住民票の写しなども)
国税庁のホームページには、以下のとおり掲載されています。
どのような場合に個別延長が認められますか
新型コロナウイルス感染症の影響により、相続人等が期限までに申告・納付ができないやむを得ない理由がある場合には、個別に申請していただくことにより期限の個別延長が認められます。
このやむを得ない理由については、新型コロナウイルス感染症に感染した場合はもとより、新型コロナウイルス感染症の影響によって相続人等が次のような状況になっていることにより、申告することが困難なケースなどが該当することになります。
■体調不良により外出を控えている場合
■平日の在宅勤務を要請している自治体にお住まいの場合
■感染拡大により外出を控えている場合
また、上記のような理由以外であっても、感染症の影響を受けて申告・納付期限までに申告・納付が困難な場合には、個別に申告・納付期限の延長が認められます。
なお、個別の申請により申告期限等が延長されるのは申請を行った方のみとなり、他の相続人等の申告期限等は延長されませんのでご注意ください。
個別延長の場合の申告・納付期限はいつになりますか
新型コロナウイルス感染症の影響により、期限内に申告・納付することが困難な相続人等については、申告・納付ができないやむを得ない理由がやんだ日から2か月以内の日を指定して申告・納付期限が延長されることになります。
個別延長する場合には、どのような手続きが必要となりますか
別途、申請書等を提出していただく必要はなく、申告書の余白に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」である旨を付記していただくこととしています。
(以上、国税庁ホームページより。詳細はご確認ください。)
簡単な手続きですし、柔軟に対応してもらえることがお分かりいただけたかと思います。
その他、税務上の手続きなどで困ったことがあれば、税務署や税理士などの専門家に相談していただければと思います。