これも非常に多い質問なのでこの場で書いてみたいと思います。それは「海外不動産っていいの?」という質問です。
なかでもアメリカ不動産に絞って今回は書いてみたいと思います。
●投資として考えるとリスクは高く出口(5年経過後の売却)が見えない
●一方で減価償却は多額にとれるので節税効果は高い。
というのが結論だと思います。
では、詳細を見ていきましょう。
そもそも今週のエコノミストにも特集されていましたが、アメリカの不動産投資とはなんでしょうか。
主にダラスやハワイの物件が多いのですが、要はアメリカは「築古」かつ不動産価格に占める「建物割合が高い」木造物件が多いので、日本の不動産を買うより「減価償却が多額にとれる(4年で建物部分の100%が償却できる。つまり4年で建物部分の全部が損金計上できるということ)」というメリットがあります。また投資としてもドル換算ですが5%程度の利回りが見込めます。とくに個人の所得税に関しては経費にぶつけることができるものは少ないため、高額所得者に関していえば貴重な節税策と言えそうです。
一方でリスクはなんでしょうか。
空室リスク、出口で想定通りにきちんと売却できるのかという出口リスク、また借り入れを起こして買うわけですが(多くは変動金利なので)、金利上昇リスクや、為替リスクもあります。その中でも一番危険なのは出口リスクだと思います。多くの方は「融資付けして」購入することが多いと思いますが、セールストークとしては「融資は7年間利払いだけ。7年後再度物件を売却して元本部分の融資も返済しましょう」という青写真を描いて購入すると思います。であれば「アメリカの不動産価格が右肩上がり」である必要があります。
過去の不動産価格はNYダウやSP500など米国株が上がり続けるうちは不動産価格も上昇していくという事実はあります。よって米国は今後も安泰と考える人にはいい節税対策ではないでしょうか。
最後に、国外の中古建物に係る減価償却費の税制に関しては何年も前から問題視されていますので、今後税制が変わった場合、この節税策は封じられる可能性はありますのでご注意ください。