認知症になると相続対策や終活ができなくなる その2

認知症になると相続対策や終活ができなくなる その2

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各生命保険会社が「認知症保険」を発売している通り、世間では超高齢社会に伴う認知症の問題が意識されています(今は新型コロナウイルス一色ですが)。そこで前回からの連載で、認知症のお話をいたします。今回は認知症になる前にできる対策のお話です。

(4)認知症になる前にできる対策

認知症になる前に対策を講じておくことで、万が一認知症になった場合でも相続対策を進めることができることがあります。その対策とは、認知症になった本人に代わって法律行為などを行う人を、事前に契約によって決めておくことです。
前回記事(2)にもありますが、家族や専門家が認知症の人に代わって法律行為を行えるようにする後見制度というものがあり、後見制度には「法定後見制度」と「任意後見制度」のがありますが、ここで効果を発揮する対策が、後者の「任意後見制度」です。※前回記事(2)のとおり、「法定後見制度」では相続対策はできません。
さらに、「家族信託(民事信託)」を利用した対策もあります。
ただし、「任意後見制度」も「家族信託(民事信託)」も実務で使われ出したのは最近になってからです。よって、今後想定したような結果を得られない可能性もあるため、利用する場合には事前にこの分野に精通した専門家に相談する必要があるでしょう。もちろん、当協会にもぜひご相談ください。
 

① 任意後見制度による対策

任意後見制度は法定後見制度と異なり、将来的に後見人になる人(任意後見人)を事前に契約によって決めておく制度です。(これを任意後見契約といい、公正証書で契約書を作成しなければなりません)
つまり、本人の意思で後見人を選出し、その後見人に財産の処分などを託すことができるのです。
したがって、任意後見制度であれば、相続対策を進めることができることになります。
任意後見制度を利用するには、本人と任意後見人になる人との間で「任意後見契約」を締結する必要があります。そして、本人に認知症の症状が現れた際に、家庭裁判所に対して任意後見契約を有効にしてほしい旨の申し立てを行い、認められると後見人が財産の管理、運用、処分をすることになるのです。
(ただし、任意後見人を監督する「任意後見監督人」が家庭裁判所により選任されることになります。)
なお、任意後見制度は、現時点では認知症になっていない人が、将来認知症になることに備える場合などに利用できます。利用は本人の意思能力があるうち、つまり認知症と診断される前に限られます。
認知症と診断されてからでは、法定後見制度しか使えなくなります。したがって、利用を検討されている方は、早めの対策が必要になります。

 

②家族信託(民事信託)による対策

信託とは、「委託者」、「受託者」、「受益者」の三者で成り立つ契約です。
①委託者は受託者に財産を委託する。
②受託者は委託内容に従って財産を管理・運用・処分する。
③運用・処分によって得た財産や利益を受益者が受け取る。

この信託の中で、委託者と受益者が家族である場合、もしくは三者とも家族である場合を「家族信託」といいます。この家族信託でも相続対策を行うことができます。
例えば、委託者:父親、受託者:長男、受益者:長男を含む家族、として、毎年少しずつ父親の財産を家族に贈与することができます。信託契約の内容に定めておけば父親が認知症になった後でも、引き続き贈与することができるようになります。
家族信託を利用する場合には、信託契約内容において財産の管理・運用・処分方法を明らかにしておく必要があります。そして、事態発生後(例えば認知症になった後)はその契約内容に従って、受託者が相続対策を実行することになるのです。
なお、家族信託についても認知症と診断される前に信託契約を締結しておかなければ無効となります。そのため、早いうちから対策を取っておくことが望まれます。
 

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