第23回 老後2000万円問題と新・日本の階級社会を生き抜くためには

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江幡 吉昭

2019-07-30

第23回 老後2000万円問題と新・日本の階級社会を生き抜くためには

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今週の週刊現代の巻頭特集「新・日本の階級社会」で現代の記者さんが私のもとに取材に来られ色々な話をしました。(記事で使われているのはそのほんの一部ですが)
また、以前、現代の他の企画でも「お金持ちの生態的なもの」に取材協力したのですが、そこでピンと来たことがあります。 丁度、世間で話題の老後2000万円問題の話とも共通するものなのでこの機会に取り上げたいと思います。
 

老後2000万円問題を難なく避けるには?

「老後苦労をせずにどうしたら生活できるのか?」といえば国の社会保障にある程度は頼りつつ、自助努力でお金を貯めればいいというのが一般論だと思います。
私も、その程度の認識しかありませんでしたが、今回の取材を機に、色々と私自身の仕事上の経験などを振り返って見て一つの結論を得たのです。

老後2000万円問題を我々自身が解決するためには、「お金に働いてもらうこと」が必要なのではないかという結論です。

これだけ聞くと、「じゃあ、資産運用すればいいの?」という話になると思いますが単純にそういうわけではありません。
私自身、株や為替などの資産運用はもちろん太陽光発電事業などにも投資しているので資産運用自体は大好きなのですが、これは正直「向き不向きがある」と思いますので万人に向いているものではないと思います。よって資産運用すれば問題解決というわけではなく、気軽にお勧めできるものではありません。不動産投資もしかりです。 

お金に働いてもらうということ

では、「お金に働いてもらう」ということはどういうことでしょうか?それは「そのお金を使って一石二鳥にも三鳥にもなるようなお金の使い方ができるか否か」が「お金に働いてもらうこと」だと思っています。

例えば、「貯めたお金で旅行に行く」。これはこれでストレス発散になったとします。ただ、残念ながら一石一鳥(そんな言葉はありませんが。)でしかありません。万が一、旅行に行くことで「仕事が直接的にとれるようになった」とか、2つめ3つめのメリットが生まれてくるような旅行でなければ「お金に働いてもらう」ではなく「単にお金を使った」というだけだと思います。よく様々な会社の経営者さんたちで海外視察を兼ねた海外旅行に行くことって多いと思うのですが、これはまさに「新しいビジネスの発見」と「ストレスの発散」という一石二鳥のお金の使い方だと思います。

改めて今回の現代の取材を通して銀行時代の成功された経営者等の行動を振り返ってみると皆さんそういったお金の使い方をしています。例えば、広告です。広告の効果は第一に宣伝効果があります。よって仕事が舞い込む可能性があるわけです。
第二の効果は税金対策です。利益が減りますから税金が減ります。
第三に広告を出した業界の中に簡単に入れるようになります(例えばプロ野球の広告スポンサーになったらチケットもらえたりとか選手と仲良くなったり等)。これは一石三鳥のお金の使い方だと思います。他には、一石二鳥になるお金の使い方の代表例がベンチャー投資だと思います。成功すればお金が増えますし、税制優遇もありますし、何よりも世の中の役に立つような会社の投資であれば、社会に貢献できるわけです。(もちろん広告やベンチャー投資など多額のお金がかかるので誰でも出来る投資ではありませんが。)

一方で、儲かっている企業の経営者さんが「別荘をたくさん買ったり」「ワインを買いそろえたり」することはよくあります。お金の使い方がこういった行動だけになってしまうと、本業が厳しくなった時には何も残らなくなってしまいます。実際、別荘などの相続税法上の評価額は驚くほど低く、とくにリゾートマンションは買値の十分の一以下の評価にしかなりません。

もちろん常に一石二鳥を狙うことばっかり考えている人と仲良くなりたいとは私自身、思いません(笑)。ただ、自分がお金を使う上で、頭の片隅にあったほうがいい言葉なのかなと思っています。
 

「老後2000万円問題」最後に

老後2000万円問題イコール資産運用というような風潮が出来上がりつつありますし、そういった金融機関やアドバイザーが多いのは事実です。私個人的にはそうではなく「お金の使い方、貯め方が一石二鳥になるよう」に「お金に働いてもらうこと」、それが上記問題の解決の糸口なのではないかと考えています。人によって趣味嗜好や使える金額、貯めることができる金額はそれぞれ異なります。知り合いの社長さんは車が趣味で、その同好サークルで仕事を取ってきたりする人がいたり、ゴルフが趣味でそこで仕事を取る人もいます。人の趣味は人それぞれですので万人に「こうしたほうがいいですよ!」という絶対的な解決方法はありませんが、自分なりの向き不向きでお金に働いてもらえればいいのではないでしょうか。 

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