弊協会理事の江幡が執筆したダイヤモンド・オンラインに掲載された記事の要約版です。
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江幡吉昭 | 著者ページ | ダイヤモンド・オンライン
富裕層が抱える「資産があっても困る」問題
富裕層と聞くと、誰もが「お金持ちで羨ましいですね」と思うかもしれません。しかし、実際には資産を持つということは多くの悩みや問題がつきものです。今回は、資産を持つことで直面する4つの代表的な問題についてお話しします。
1. 相続争いの問題
資産が多いほど、相続にまつわる争いが避けられません。特に家庭が複雑な場合、相続の際にトラブルが起きやすくなります。例えば、前妻の子どもと後妻の子どもがいる場合や、婚外子がいるケースなど、相続の配分で大きな争いになることが多いです。こうした状況では、資産を持つ親が生前にしっかりと遺産の分配計画を立て、事前に解決策を講じることが非常に重要です。相続争いは、放置すればするほど、後々に家族の間で大きな問題を引き起こす可能性があります。
2. 高税率の税金問題
富裕層にとって、税金の問題も大きな悩みです。日本では、相続税や贈与税の最高税率が55%に達するため、対策を取らなければ、相続時に多額の資産を失う可能性があります。また、固定資産税も毎年かかるため、土地や不動産を多く持っていると、その維持コストが非常に高額になることがあります。このため、資産を持つ富裕層は、税金対策と効果的な資産運用を両立させることが重要です。適切な対策を取らないと、せっかくの資産を税金で失ってしまう恐れがあります。
3. 海外資産の問題
富裕層の中には、海外に資産を持つ方も少なくありません。しかし、海外資産はその管理が非常に難しく、現地の法律や税制に詳しくなければ、大きな問題を引き起こす可能性があります。例えば、海外に住んでいる子どもが相続を受けた場合、その資産をうまく管理できないことがあります。また、海外での不動産所有や預金口座の出金が困難になるケースもあります。このため、海外資産を持つ場合は、現地の法律に精通した専門家のサポートが不可欠です。
4. 不動産にまつわる問題
不動産は資産の一部として非常に重要ですが、それに伴う問題も多くあります。例えば、複数の親族で不動産を共有している場合、修繕や売却の意思決定に時間がかかり、不動産経営がうまく進まないことがあります。また、相続後に不動産が兄弟姉妹に分散されることで、適切な運用が難しくなるケースもあります。そのため、不動産の管理は、生前にできるだけ単独所有の状態にすることが望ましいです。
このように、富裕層であることは見た目ほど簡単なものではなく、多くの問題を抱えています。特に相続や税金、海外資産、不動産に関する問題は、適切な対策を講じなければ大きなトラブルに発展することがあります。富裕層であっても、適切な計画と専門家のサポートを受けることで、これらの問題を乗り越えていくことが重要です。