第46回 遺言・相続Q&A

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貞方 大輔

2022-04-19

第46回 遺言・相続Q&A

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今回は遺言・相続に関する身近なQ&Aをご紹介します。

Q&Aその①:相続人がゼロの場合の基礎控除はいくら?

相続税の基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」ですよね。
では、例えば独身で、配偶者や子どもがおらず、両親は他界し、兄弟姉妹もいない場合、法定相続人は誰もいない、つまりゼロということになります。この場合、所定の手続きを経た後、財産は最終的に国庫に帰属、つまり国のものになります。
「自分が亡くなった後とはいえ、財産を国に持っていかれるなんて…」と思う方もいるでしょう。そんなときは遺言によって、寄付(例えばユニセフや日本赤十字社などへ)することもできますし、看護や介護などでお世話になった方に、“せめてものお礼として遺産を渡したい、託したい”と思うのであれば、その方に遺贈することもできます。遺言であれば、法定相続人以外の人にも遺産を渡すことができるのです。

では、皆さんが、相続人が誰もいない方から遺言で遺産を受け取ることになったとしましょう(これを遺贈といいます)。この場合、皆さんは相続税の申告・納税をする必要があるのでしょうか?ちなみに、この場合、“贈与税”の対象になると勘違いしている方もいますが、あくまで“相続税”です。
結論から言うと、相続税の基礎控除を超える遺贈であれば、相続税の申告・納税をする必要があります。
それでは、その基礎控除はいくらでしょう?
答えは3,000万円+600万円×ゼロで3,000万円です。ということは、遺産が3,000万円以下であれば皆さんは申告・納税の必要がありませんし、3,000万円を超えれば申告・納税をする必要があります。ちなみに、皆さんは、相続税を2割増しで納税することになります。(相続税額の2割加算といって、被相続人の一親等の血族および配偶者以外の人が遺産を受け取った場合、その人の相続税が2割加算されます。)

Q&Aその②:不動産の生前贈与ってどうなの?

※資産家の場合は一部例外あり

このご相談は非常に多いです。
「親が持っている不動産を生前に贈与するのってどうなんでしょうか?」という内容です。
私がいつも申し上げている回答としては、「不動産(特に土地)の生前贈与は、税金(贈与税、不動産取得税、登録免許税)の負担が大きいので、何が何でも贈与しなければならない事情がない限りよく検討した方がいい(だいたいの場合、やめた方がいい)ですよ。不動産の移転は相続のときが一番オススメです。(税金が気にならないのならご自由にどうぞ)」といったところでしょうか。

不動産の生前贈与も、人によってはメリットがあります。
相続税が軽くなる(相続開始前3年以内の贈与は除く)、生前に贈与したい人に渡すことができる、贈与後に不動産価値が上昇した場合はさらに良し、といったところですが、その一方で税金負担が意外と重たいという点があります。
不動産の評価額によっては、贈与税が高額になりますし、贈与税以外にも不動産取得税や登録免許税もかかるのですが、これも決して軽いものでないことが多いです。
“贈与”の場合、不動産取得税が3%(宅地、住宅用の家屋の場合)、登録免許税が2%です。
この税率をかける課税標準は、固定資産税評価額です。毎年4月頃に送られてくる固定資産税納税通知書に記載されています。
ちなみに、“相続”の場合は、不動産取得税はゼロですし、登録免許税は0.4%です。この2つの税金の差は贈与と相続の場合で10倍以上ということになります。さらに、相続のときには、小規模宅地等の特例という非常に効果の大きな特例も用意されています。
贈与の場合も、不動産取得税の軽減措置もありますが、すべて合わせるとやはりそこそこの金額になってしまうのです。よって、安易な贈与は禁物ですし、相続時のことも踏まえた全体的な検討が必要です。

なお、不動産の贈与であれば、相続時精算課税制度の利用も検討材料の一つです。詳細な説明は割愛しますが、相続時精算課税制度は、2,500万円までの贈与であれば贈与税はかかりませんが、相続時に相続財産として課税するというものです。よって、基本的には相続税の軽減にはつながりません。ただ、そもそも相続税の基礎控除以内の方であれば、贈与税もゼロ、相続税もゼロでということで効果を享受できます。ただし、贈与であることに変わりはないので、ここでもやはり不動産取得税と登録免許税はかかってきますが。

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貞方 大輔

立命館大学卒業後、大手生保を経て、アレース・ファミリーオフィスへ入社。
一般社団法人相続終活専門協会 代表理事

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