第28回 今年の生前贈与について検討されましたか?

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貞方 大輔

2021-09-10

第28回 今年の生前贈与について検討されましたか?

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生前贈与がダメになる?

最近、主にビジネス誌などのメディアで、“生前贈与がダメになる”といった話題を見聞きするようになりました。今、それだけ注目が集まっているホットな話題で、今年の年末から来年にかけて大きな動きがあるのではないかと考えています。

暦年贈与を問題視?

2020年12月の政府税制調査会で、“(一部抜粋)相続税と贈与税をより一体的に捉えて課税する観点から、現行の相続時精算課税制度と暦年課税制度のあり方を見直すなど本格的な検討を進める”との議題があがりました。
分かりやすく言うと「毎年110万円の非課税枠を使って贈与を繰り返して、相続税の負担から逃れているとはけしからん!」というものです。決して悪いことをしているわけではありませんが、新型コロナウイルスのせいで膨れ上がった国の借金を減らすために、“格差の是正”という大義名分のもと、お金持ちを増税します!と国が本腰を入れて動き始めたわけです。
なお、この政府税制調査会において議論が始まると、おおよそ数年以内に何らかの改正(規制強化)が実施されていることが通例です。

どうなる生前贈与

果たしてどうなっていくのでしょうか…
贈与税の非課税枠(110万円まで)が無くなる?縮小される?
暦年贈与と相続時精算課税制度が一本化される?(=贈与税と相続税を一体化)
“3年以内贈与加算”の3年縛りが5年、10年になってしまう?
などなどいろいろと想像が膨らみます。
現時点では、まだ何も具体的になってはいませんが、何らかの制度改正(フタをされてしまう)があることはほぼ間違いないでしょう。

贈与の対象は、その年の1月1日から12月31日までになされた贈与です。2021年ももう9月中旬。今年残された期間はあと3ヵ月半です。
少なくとも今年はこれまでどおりの制度どおりですので、やるべき(やりたい)生前贈与はきちんとやっておきたいものです。

生前贈与は、年間110万円までなら贈与税はかかりません。
まだ不確定ですが、もしかしたら来年から何らかのフタがされてしまう(ダメになるかも)可能性もゼロではありませんので、今年の生前贈与はとても重要だと考えています。
今後の動向を見届けながらも、有意義な生前贈与をご検討いただければと思います。
例えば、次のようなことがあげられます。

①贈与する相手を増やす

子や孫に贈与することが多いでしょう。ただ、子や孫の数には限りがあります。
贈与は誰に対しても行うことができます(団体への寄付も含む)。例えば、息子の嫁、娘の婿、甥姪など、“仲が良ければ”贈与する相手として検討してみるのもよいかもしれません。贈与先を増やして、年間のうちにできるだけ多くの財産を移転しておくのです。
ただし、ある程度平等にしないと、無用な争いや遺恨を残すことになりかねませんので注意も必要です。

②贈与する金額を増やす

110万円までなら贈与税がかかりませんので、コツコツと贈与することはオススメです。
一方、相続税の基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人数)を大きく超える財産をお持ちの方であれば、贈与税を納めてでも財産を減らしておいた方が、相続税も含めたトータルの税金負担が結果的に少なくて済むことに繋がります。
例えば、500万円を贈与した場合、贈与を受けた方(受贈者といいます)が納めるべき贈与税は48.5万円です。税金負担としては、48.5万円/500万円=9.7%ですので、低い税金負担で財産を移転(=贈与)することができます。※税金の世界では、20%以下の税金負担は軽い。
なお、贈与税48.5万円を納税することにより、相続財産は500万円減ることになり、例えば、1億円の財産をお持ちで、相続人たる配偶者はすでに他界(あるいは離婚)、相続人は子ども一人だけという状況であれば、500万円もの財産を減らす(贈与する)ことによって、相続税が150万円軽くなるので、贈与税48.5万円を納税したほうがお得ということになります。

生前贈与の方法や発生しうる税金のことなど、分からないこと、迷っていることがあれば、ぜひ専門家にご相談されることもオススメします。(実際、ご相談件数も非常に増えています。)

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貞方 大輔

立命館大学卒業後、大手生保を経て、アレース・ファミリーオフィスへ入社。取締役西日本支社長。

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