第12回 相続登記が義務化

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佐久間 寛

2021-09-03

第12回 相続登記が義務化

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相続登記とは『亡くなった人の不動産の名義変更』のことを指しますが、実は今年4月の国会で相続登記を義務付ける法改正が成立しています。

1.相続登記はなぜ放置されるのか

亡くなった人の不動産の名義変更は意外と?行われておらず、全国の所有者が不明な土地や亡くなった人のままの名義の土地は、現在九州全域に相当する367万ヘクタールに達しているとされております。この状況が放置され続けると2030~2040年には北海道の土地面積である780万ヘクタールに匹敵する可能性があるとさえ言われています。
相続登記が義務化された背景には、この「所有者不明土地」の増加問題がありますが、なぜこのようなことが起きるのでしょうか?東京など3大都市圏や都市部にある土地の場合は、自分で住んだり貸したりすることなどで有効活用が可能ですし、使う土地・収益が上がる土地なので、比較的スムースに名義変更が行われます。しかし、地方の山林などは『そもそもどこからどこまでが該当土地かわからない』、『相続登記の手続きが面倒だ』、『使わない土地なのに司法書士等に支払うお金がもったいない』、『相続でモメていてどうにもならない』などの理由があり、なかなか手続きが進まないうちに相続人が死亡し、その下の世代へのさらなる相続が起こることにより、相続人の数が膨れ上がりどうしようもなくなる…というのはよくある話です。

2.相続登記を放置することのデメリット

この問題を放置することで起きるデメリットですが、皆さん相続人の立場では、いざ親が住んでいた実家を売却しようとしたり、そこにアパートを建てようとしたりしても、相続登記が完了していなければ、出来ません。また、行政の立場としては、公共事業や再開発を進めようとしても、所有者を探す時間や費用はもちろん、手続きにコストもかかってしまうことになります。

3.2024年(予定)の相続登記の義務化で何が変わる

大きく分けて2つのことが変わります。
まず1つ目は、相続人が相続や遺贈で不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をすることが義務化され、これを怠った場合は10万円以下の過料が科されることになります。
実務でどうなるかはまだ完全には判明しておりませんが、あらかじめ相続人に対して登記申請をするよう催告され、それでもなお登記申請がなされない場合、過料が科せられるようなプロセスとなりそうです。

そして2つ目は、相続登記を行うことが困難な人たちのために『相続人申告登記制度』が始まります。この制度は、相続人間で遺産分割協議がまとまらない等、登記を行いたくても行えないような場合、『相続登記を申請する義務を負う者が、法務局に対し登記上の所有権の名義人について相続が開始した旨および自らが当該所有権の登記名義人の相続人である旨を申し出る」制度です。相続登記とは異なり『誰に権利が移転したかを登記するもの』ではありません。しかし、これにより相続登記の義務を履行したものとみなされます。また、相続人申告登記後、遺産分割が成立した場合は、遺産分割の内容に合致する相続登記を遺産分割の日から3年以内に申請しなければなりません。

いずれにせよ、今までは相続登記を行わず、放置される方も一定数おりましたが、義務化を受け、早めに手続きをしておいた方がよさそうです。特に相続人と連絡が取れる方は、今のうちに司法書士等の専門家や法務局に相談しながら手続きをすすめたいものです。一方で、相続人と連絡が取れない、どこに相続人がいるかわからないなどの方は、まずは専門家に相談するのが良いと言えるでしょう。

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司法書士

平成17年司法書士試験合格
平成18年簡裁訴訟代理認定考査合格
資格試験予備校、都内司法書士事務所勤務を経てライト・アドバイザーズ司法書士事務所開設

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