第5回 薬いらずで認知症は防げる、治せる!(第1回目)

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佐藤 俊彦

2020-05-08

第5回 薬いらずで認知症は防げる、治せる!(第1回目)

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私は20年以上にわたり、アルツハイマー病の研究をしています。
誰もが認知症になる可能性がありますが、今は予防も改善もできる時代です。
今回から数回にわたって、認知症についてお話したいと思います。

1.認知症とは

WHO(世界保健機関)は、認知症とは「いったん発達した知能が、さまざまな原因で持続的に低下した状態。通常、慢性あるいは進行性の脳の疾患によって生じ、記憶、思考、見当識、概念、理解、計算、学習、言語、判断など多数の高次脳機能の障害からなる症候群」と定義しています。
私たちの活動のすべてをコントロールする脳の働きが悪くなったり、細胞が死んだりすることで障害が起こり、生活するうえでさまざまな支障が出る状態のことをいいます。

2.認知症の現状

日本の総人口は、2008年の1億2808万人をピークに、2015年11月には1億2711万人、2016年4月には1億2698万人と減少が進んでいます。
そのなかで、大きな問題となっているのが高齢者数の増加、そしてそれに伴う「認知症の急増」です。
2015年1月、厚生労働省は全国における認知症の患者数が2025年には700万人を超えると発表しました。これは65歳以上の高齢者のうち、5人に1人が認知症に該当する計算です。認知症高齢者の数は、2012年時点で約462万人と推計されており、約10年で1.5倍にも増える見通しとなっています。
これに「認知症予備軍」といわれる軽度認知障害(MCI)を加えると約1300万人となり、65歳以上の3人に1人が認知症またはその予備軍ということになります。「認知症1300万人時代」の到来です。

3.加齢による物忘れと認知症の違い

「最近、忘れ物が多いなぁ」
「財布、どこに置いたのかしら?」
「人の名前が出てこなくて・・・」
歳をとれば誰でも物忘れが多くなるのも事実です。
しかし、こういった病気ではない物忘れ=加齢による物忘れは「良性の健忘」のため、心配するには及びません。
一方、認知症は日常生活に支障をきたす疾患です。加齢による物忘れは「体験の一部を忘れている」だけで、きっかけがあれば思い出せますが、認知症は「体験のすべてを忘れている」のが特徴で、忘れていることすら分からない場合があります。
つまり、完全に記憶が抜け落ちているのが認知症による物忘れなのです。
例えば、昨日の夕飯に何を食べたかを忘れているのは、加齢による物忘れですが、食事をしたこと自体を忘れているのは認知症。孫の年齢や名前を忘れているのは単なる物忘れ、孫がいること自体を忘れているのが認知症です。

第5回 薬いらずで認知症は防げる、治せる!(第1回目)の画像

出典:政府広報オンラインホームページより

続きは次回になります。

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