第13回 相続土地国庫帰属制度(その3)

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山下 昌彦

2024-10-08

第13回  相続土地国庫帰属制度(その3)

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前回からの続き

前回は、相続土地国庫帰属制度の利用ができない土地、すなわち同制度で国が引き取ることができない土地についてご説明しました。今回は、相続土地国庫帰属制度の申請手続きについて具体的にご説明します。

相続土地国庫帰属制度の申請手続き

(1) 申請先

相続土地国庫帰属の承認申請書は、承認申請の対象となる土地が所在する都道府県の法務局・地方法務局(本局)の不動産登記部門(登記部門)に提出する必要があります。

①窓口に提出する場合
原則として申請者本人の方が管轄法務局の窓口で承認申請書を提出する必要があります。もっとも、申請者本人の方が管轄法務局を訪れることが困難な場合は、そのご家族の方が代理で提出することも可能とされています。

②郵送で提出する場合
郵送申請の場合、相続土地国庫帰属の承認申請書が封入されていることを記載した書留郵便又はレターパックプラスに承認申請書と添付書類等を封入して、管轄法務局の本局に送付する必要があります。

(2) 承認申請書の記載例・様式

法務省のウェブサイトに承認申請書の様式及び記載例が掲載されています。
法務省 | 遺産分割協議書に関するページ

(3) 添付書類

承認申請書に添付して提出が求められる書類は、下記のとおりです。

①全ての申請者が添付しなければならない書類
■承認申請の対象となる土地の位置及び範囲を明らかにする書類
■承認申請の対象となる土地とその土地に隣接する土地との境界を明らかにする写真
■承認申請の対象となる土地の形状を明らかにする写真
■申請者の印鑑登録証明書

②申請者が遺贈によって土地を取得した相続人である場合に添付しなければならない書類
■相続人である申請者が遺贈を受けたことを証明する書類

具体的には、遺言書、被相続人(故人)の出生から死亡までの戸籍全部事項証明書・除籍謄本又は改製原戸籍謄本、相続人の戸籍一部事項証明書、住民票又は戸籍の附票等がこれに該当します。

③申請者と承認申請の対象となる土地の所有権登記名義人が異なる場合に添付しなければならない書類
■承認申請の対象となる土地の所有権登記名義人から申請者に対して相続又は一般承継があったことを証する書類

具体的には、遺産分割協議書、被相続人(故人)の出生から死亡までの戸籍全部事項証明書・除籍謄本又は改製原戸籍謄本、相続人の戸籍一部事項証明書、住民票又は戸籍の附票等がこれに該当します。

④任意で添付する書類
■固定資産評価証明書
■承認申請の対象となる土地の境界等に関する資料

(4) 承認申請手続きの代行

相続土地国庫帰属の承認申請は、申請者本人の法定代理人による場合を除き、そのすべてを第三者に代行を依頼することは認められておりません。
もっとも、申請者自身で承認申請書や添付書類を作成することが難しい場合、その作成を第三者に代行してもらうことは可能です。この場合、業務として作成の代行をすることができるのは、専門の資格を有する弁護士、司法書士及び行政書士に限られています点には注意が必要です。

参考:法務局ウェブサイト「相続土地国庫帰属制度の概要 6申請方法・提出書類の様式」
法務省 | 遺産分割協議書に関するページ

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弁護士

京都大学法学部卒業
甲南大学法科大学院修了

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