第12回 国内不動産はバブルか否か

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江幡 吉昭

2018-12-13

第12回 国内不動産はバブルか否か

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毎年のように不動産価格が上昇していることが話題になっています。最近でもニセコの不動産価格の上昇に関する新聞記事を目にした方も多いでしょう。
 このサイトをご覧になっている方も投資用不動産含めて不動産を保有されている方も多いと思いますので、今後の国内の不動産価格の状況を簡単に考えてみたいと思います。

以下は日本の不動産の住宅価格指数の2004年からの約15年近い推移です。東京は20%を優に超える上昇をしたわけです。一方で神奈川も上昇はしていますが、東京に比べるとそれほどではありませんでした。

第12回 国内不動産はバブルか否かの画像

一方でアメリカの不動産価格はどうでしょうか?以下はアメリカの代表的な住宅価格指数であるケースシラーです。

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大体この7年あまりで40%程度の価格上昇です。よく「日本の不動産価格は香港やアメリカ等他と比べてまだ割安。よってまだ上昇する」という意見が国内不動産の強気論者の根拠だと思いますがデータからも確かにそういう言い方もできると思います。

個人的には不動産や株価など、今後の状況を予想するということは非常に難しいことであり、ナンセンス。評論家やストラテジストのように声高に言うことは好きではありません。よって話半分の話という前置きをしておいて敢えて今起きている状況や過去に目を向けてみたいと思います。

例えば、すでに上場企業のデベロッパーの一部では業績がよろしくない会社も一部あります。来年の本決算前の中間決算の状況で予想売上高の20%にも到達していなかったりします。こういった会社の状況は単なる個別の問題なのでしょうか?それともすでにカボチャの馬車で不動産に関する貸し手である銀行は及び腰になっており、不動産の大きな買い手であるサラリーマン大家が消えたことによる業界全体の構造上の問題なのかはわかりません。ただ、業界としての歯車が逆回転し出したとしたら少々気持ちの悪い話だと思います。

また、アノマリー(根拠のないがそうなりやすい経験則)として個人的には「一時代の終わりには象徴的なことが起こる」と考えています。例えば、来週上場するソフトバンクの過去最大級の上場も一時代の終焉とも思ってしまいます。過去にはNTTが1987年に大型上場として当時も話題になりました。しかし、上場後のバブルの崩壊やNTTの株価自体の長い低迷を考えるとどうも今回のソフトバンクの上場も気持ちが悪いものです。また昭和から平成へ年号が変わったのは1989年ですが、ご存知の通り直後にバブルが崩壊しています。

もっとも当時と比べればそれほどバブルは膨らんでいませんし、リーマンショックの時のクレジットクランチと異なり、危機の全貌が見えないということもありません。金利も大して上がっていません。よって、これからの不動産価格が大きく下落するとは全く思っていませんが、一方で、右肩上がりの上昇は期待できないのではないかとも考えています。
来年か再来年あたりにこのあたりの回答はでているのではないでしょうか。

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