第20回 相続対策でなぜ外貨を使うのか?

江幡 吉昭

2019-04-26

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現在、メガバンクなどは有名俳優を起用し「相続の相談は銀行に」というようなCMを積極的に流しています。銀行は相続の相談に来た人たちに何をしているのでしょうか。大きく分けて「高額な報酬を取って遺言の作成をしたり、保険の販売、不動産の販売」などです。とくに最近多いのが外貨建て保険の販売でしょう。なぜ相続で外貨?と思われる方も多いと思いますので、今回は外貨について考えてみたいと思います。
 
日本は長い低金利時代になり、円建ての貯蓄性が高い生命保険の利率は非常に低くなっています。
例えば100のお金を一時払いで入れてもせいぜいお金は101とかにもならないことが多いです。(積立利率0.01%とかもざらです)一方、外貨で保険に入ると同じ100を投資しても死亡保険金額は110前後になります。(積立利率2%前後)もちろん為替リスクはあるのですが、同じ一時払いでも死亡保険金額が円建てに比べて大きくなるわけで、外貨にして死亡保険金の非課税枠を取りにいくというわけです。
死亡保険金の非課税枠とは「法定相続人×500万円までの死亡保険金は相続財産から除かれ非課税となる」というものです。
ですので、預金で持っているよりも保険に変えた方が相続財産が少なくなるので相続税の節税になるというわけです。
 
一方で、この為替リスクとは一体なんでしょうか?例えば上記外貨建て保険に1ドル100円で100万円分(1万ドル)加入したと仮定します。5年後、1ドルが110円になっていれば1万ドルを円換算すると110万円になっているので10万円の含み益。一方で1ドル90円になっていれば円換算で90万円になっているので10万円の含み損というわけです。
 
ということは加入した時より円安(1ドル100円であれば、それ以上の数字120円とか)になれば加入者は儲かるわけです。ということで為替リスクというのは円安になればメリットがあり、円高になればデメリットになる諸刃の剣というわけです。将来的に日本は円安になると考える方にとってはメリットになるでしょう。
 
私が銀行時代にお客さんに「将来的に為替はどうなりますかね?」と聞くと、ある程度新聞やニュースをきちんと見る人は必ずと言っていいほどこういいます。
 
「将来円は、円安だよ!」と。
 
その理屈はなんでしょうか?
 
日本は少子高齢化 → 国力が弱まる → 円安 ということで円安になるとおもっているわけです。
 
では国力が弱まると円安というのはどういうことなのでしょうか?ちょうどいい例でトルコの例を見てみましょう。
 
トルコは現在エルドアン政権以来の政情不安に包まれています。対米との軋轢やインフレです。エルドアン大統領就任時の2014年にユーロ対トルコリラの交換比率は1対3でした。トルコリラ3に対して1ユーロ交換できるということですね。
ところが政情不安等を背景にトルコの自国民や企業はトルコリラを売って隣のユーロに交換することで、いまはユーロ対トルコリラの交換比率は1対6になってしまいました。(一時的には1対8までも。)トルコリラ6に対して1ユーロ交換できるということですね。
つまりトルコリラの価値が安くなってしまったということです。トルコ安というやつです。これを日本に当てはめるとよくわかると思います。
トルコではないですが、日本が少子高齢化で働き手が減り、国力が落ちれば日本の円を売ることが増えるでしょう。すると円安になるわけです。円安というのは、今は110円ですが、それ以上に数字が大きくなるということです。
 
ですので、一般の方は国力が弱くなるイコール円安になると思っているわけです。円安論者には外貨はお金が増えるので良いということがわかると思います。
 
ただし、為替は短期的には上記のようなロジック通りに動くわけではありません。例えば東日本大震災です。あの時は為替が80円台だったのが、一時75円台まで円高になりました。あの時は原発問題などもあり、日本はどうなるのかわからない状態でした。普通に考えれば日本の国力が弱まる出来事でした。ということは円安になるはずなのに円高になったわけです。阪神淡路大震災でも為替は同様の動き(円高)になりました。
ですので、短期的にはそういった説明は意味をなさなくなる事態もあるわけで、外貨投資をされる場合、短期的な視点ですとうまくいかないことが多々あるわけです。そこは注意すべきと考えています。

江幡 吉昭

法政大学卒業後、住友生命保険、英スタンダードチャータード銀行を経て、2009年株式会社アレース・ファミリーオフィス設立。アレース・ホールディングス代表。一般社団法人相続終活専門協会代表理事。
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