円満な相続のために遺言を

佐久間 寛

2018-03-26

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昨今、テレビや新聞・雑誌などのメディアで遺産相続に関するテーマが大きく取り上げられています。その中でとりわけクローズアップされる話題の一つとして、相続人の間での遺産分けに関するトラブルが挙げられます。

ご本人がお亡くなりになり、遺産相続の手続きを行う場合、だれがどの遺産を相続するかは、法定相続人全員で協議を行い、合意をした上で進めることとなります。つまり、相続人のうちで、だれか一人でも話し合いの内容に同意をしなければ、永遠に話合いでは決着をつけることができなくなってしまいます。
これを民法上、「遺産分割の協議」といいますが、この遺産分割協議を巡るトラブルが常に後をたちません。

何十年も前(昭和の前半頃)は、いわゆる「家督相続」の制度や考え方があり、親の遺産は長男が承継するのが一般的なものとして、他の兄弟は親の遺産相続に口を挟まないこともありました。
しかし、現在は個人の権利意識の高まりも相まって、遺産相続に関しても自身の権利(法律で定めらた相続分)を最大限主張する方が増える傾向にあります。
これは決して悪いことではなく、当然の権利ではありますが、自分本位な主張ばかりしていると、遺産分割協議がまとまる可能性もどんどん低くなってしまいます。
遺産分割がまとまらなければ、相続財産の名義変更等の手続きを進めることができず、預貯金を払い戻したり、不動産の名義を変えたりすることも何もできません。

この「遺産分割の協議」に関するトラブルを回避するための最も有効な手段としては、「遺言書」を作成しておくことです。
遺言書があれば、遺言書の内容に従ったとおりの遺産相続を行うことになり、仮に他の相続人がその内容に不満があったり、別の考えがあったとしても、遺言書の内容が最優先となり、相続人間で話し合う必要がなくなりますので、相続におけるまさに万能薬となります。

ここで、遺言書を残すことのメリットとして代表的なものを挙げてみたいと思います。

遺言書を作成するメリット

1.自分の意思に沿った遺産分けを指定することができる
 遺言書がなければ、前述のとおり相続人が遺産分割の協議によって、どの財産を誰がどれだけ相続するかを決めなければなりません。いわば遺産をもらう側で、その取り分を話し合うことになります。
しかし、遺言書があれば、ご本人の財産を誰にどれだけ相続させるか、すべて自分で指定することができますので、自分が築いた財産を、自分の思い通りの方法で承継させることが可能となります。例えば老後の面倒を見てくれた子どもの一人に多く遺産を相続させたり、逆に生前にある程度の援助をしてきた子どもに対しては相続分を少なくしたりと、自由自在に決めることができます。

2.相続人全員での遺産分割協議が不要となる
 前述のとおり、遺言書がなければ、相続人全員が遺産分割協議に参加し、その内容に同意しない限り、遺産相続の手続きが前に進みません。
 しかし、遺言書があれば、その内容に従うことになりますので、相続人全員の考え方が一致していなかったり、あるいは音信不通の相続人がいて相続人全員が揃わないような場合であったりしても、遺言書の定めに沿うかたちで遺産相続の手続きを進めることができます。

3.遺産の名義変更が、相続発生後、スムースにできる
遺言書があれば、その記載された内容に従って預貯金の名義変更・払い戻しや不動産の名義変更が可能となります。この場合、遺言執行者が定められていれば、遺言執行者が遺産の名義変更の手続きを行うことになりますが、原則として他の相続人等の署名や印鑑をもらうことなく手続きが可能となりますので、円滑に遺産の名義変更手続きを行うことができます。

4.法定相続人以外の方にも遺産を分けることができる
 遺言書がない場合、遺産分割の協議においては、法定相続人の誰かが遺産を相続することとなり、法定相続人以外の第三者は遺産を取得することができません。例えば、長男の妻が長年義父の面倒を見ており、とても貢献してくれたとしても、長男の妻が義父の財産を相続することはできません。
 しかし、遺言書があれば、本人の意思として誰にでも遺産を相続させる(民法上は「遺贈」といいます)ことができますので、前述の長男の妻に一定の遺産を遺贈することも可能ですし、直接の子どもではなく、孫に財産を相続させることも可能となります。

5.自分の気持ちをメッセージとして残すことができる
 民法上の遺言の効能として重点を置いているのは、遺産相続の分け方の指定となりますが、そこに行きつくまでの自分の想いや気持ちを伝えることは、相続の手続きの中でもとても重要なことではないかと考えます。
自分の想いや気持ちを遺言書に書いておくこと(これを「付言」といいます。)は、そこに法的な拘束力はありませんが、これを書くことによって、自分の気持ちや考えが伝わり、取り分が少ない相続人も納得して円満な相続につながる可能性が高まるものとなります。

 遺言書の書き方にも幾つか種類があり、法律に定められた要件を満たした内容で作成することになりますが、遺産分割協議に関するトラブルを回避させるためにも、ぜひ遺言書を残しておくことをお勧めいたします。

佐久間 寛

東京司法書士会会員 登録第4599号
簡裁訴訟代理業務認定会員
出身  :長野県出身 中央大学法学部卒業
保有資格:司法書士、宅地建物取引主任者 

アーレスリアルエステート

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