第25回 2019年「基準地価」の公表

田中 誠

2019-11-01

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2019年「基準地価」が9月19日に公表されました。
基準地価とは、各都道府県が、不動産鑑定士の評価をもとにまとめた毎年7月1日時点の土地価格で、毎年9月下旬に公表されます。土地の価値を測る指標となる価格には、他にも公示価格や路線価があります。それぞれの特徴や違いを整理してみましょう。(理解しやすいように、公示地価、基準地価、路線価の順に説明します。)
 

①「公示地価」とは

公示地価は、国土交通省が毎年1月1日時点における1㎡あたりの適正な土地価格を調査し、毎年3月下旬に発表するものです。評価にあたっては、2人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を求め、その結果を土地鑑定委員会(国土交通省の審議会の一つ)が審査及び調整を行って正常な価格を判定します。「正常な価格」とは、土地について自由な取引が行われるとした場合における「通常成立すると認められる価格」と定めています。
公表される土地は、土地鑑定委員会が決定し、全国に26,000地点前後あります。公示地価として公表される土地のことを「標準地」といい、不動産取引や公共事業における土地取得の目安とされるのが公示地価です。日本の土地価格のベースとなるのが公示地価と考えてよいでしょう。ただし、公示地価はあくまで目安の土地価格ですので、必ずしも公示地価に沿った不動産取引をする必要はありません。一般の不動産取引における土地価格は、周辺地域のインフラや需要、収益性などを勘案して自由に決めることができます。
また、公示される価格は更地の価格です。都市部には上に建物が建っていない土地などほとんどありませんが、「ここが更地だとしたら」と仮定して価格が算出されています。
ほぼ毎年同じ標準地を選定し、毎年価格を公示するので、地価の変動が分かりやすいという利点があります。

②「基準地価」とは

基準地価とは、各都道府県が選んだ「基準地」の価格のことです。(公示価格は「標準地」。言葉は違いますが意味は同じ。)都道府県が公示地価では調査しない土地まで調査し公表する補完的な役割を持つ土地価格です。基準地価は毎年7月1日時点における土地価格であり、毎年9月下旬に発表されます。国が公表する土地価格が公示地価であるのに対し、基準地価は都道府県知事が公表する土地価格で、地点数は21,00022,000です。公示地価と基準地価は調査される地点が同じこともありますが、国が調査しない場所まで調査しているのが基準地価の特徴です。国による大きな調査が公示地価で、都道府県が行う細かな調査が基準地価と考えてもいいでしょう。
その目的や性質は、適正な土地価格の形成(土地取引の指標)など、公示地価と同じです。
公示地価と基準地価の調査地点が同じなら、同じ土地が毎年1月1日と、7月1日の年2回鑑定されるため地価の変化がよりタイムリーに分かります。
公示地価や基準地価は、「国土交通省地価公示・都道府県地価調査」という国土交通省のサイトから確認することができます。

③「路線価」とは

路線価は、相続税や贈与税等の税金を計算する際の算定基礎となる土地の価格のことです。
毎年1月1日時点の土地の評価額で、国税庁が毎年7月1日に発表します。路線価は一定の距離をもった「路線(=道路)」に対して価格が決められます。その土地が面している路線ごとに設定されているので「路線価」といいます。
公示地価や基準地価は1地点における1㎡あたりの土地価格であるのに対し、路線価は「その道路に面した土地の1㎡あたりの土地価格」という点で見方が異なります。つまり、その路線に面する宅地の価格(単価)はすべて同じという考え方で、個々の敷地における価格はその形状などに応じて補正します。
ちなみに、国税庁が公表している路線価を「相続税路線価」と呼び、市町村(東京都の場合は都)が固定資産税を算出する際に使用する路線価は「固定資産税路線価」と呼ばれます。一般的に「路線価」という場合、国税庁の「相続税路線価」を指します。どちらも公示地価と連動していて、相続税路線価は公示地価の8割程度、固定資産税路線価は公示地価の7割程度となっています。
都市部の市街地では、ほぼすべての路線に対して価格が付けられるため、路線価の地点数は30~40万地点(平成30年度は約33万地点)と、公示地価や基準地価の10倍以上の土地が調査されるという点も大きな違いです。全国の路線価図は国税庁のホームページで閲覧することができます。路線価図には1㎡あたりの単価が千円単位で表示されていますので、例えば図中に「300」とあれば、その単価が30万円ということになります。 

土地売買の際に目安となる「公示地価」と「基準地価」

公示地価や基準地価は、実際の売買価格(実勢価格)とは異なります。公示地価や基準地価は、土地の上に建物が建っていても「更地として」鑑定されますが、売り主や買い主からしてみれば上の建物次第で希望価格は異なることもあるでしょうし、どうしてもここで商売をしたいなどの意思や状況次第で取引価格が上下するのは当たり前です。もちろん公示地価や基準地価どおりに売買しなければならない義務もありません。そのため、実勢価格とは異なります。
では、どんなときに使える価格なのでしょうか。
例えば、公示地価や基準地価を参考にしながら土地の売却価格を考えたり、購入時の価格を比較する際の参考として利用できます。マンションを買う際にも「例えば同じ中央区でも、Aエリアなら公示地価が●●万円で、Bエリアは▲▲万円。それに対して、マンションの価格は・・・」という具合に、地域の価格水準の比較検討にも使えます。

基準地価の動向は?

令和初の基準地価は、地方圏の商業地がバブル崩壊後初めてプラスに転じました。(実に28年ぶり)
全国平均は2年連続上昇と復調ぶりを見せる地価ですが、来年の東京オリンピック後の動向も気になるところです。
<注目ポイント>
■全用途の全国平均は0.4%の上昇で、2年連続プラス。
■回復が遅れていた地方圏でも商業地が0.3%上昇し、バブルの終わった1991年以来28年ぶりに前年を上回るなど、全国的に地価の回復傾向が広がっている。
■銀座が14年連続1位でバブル超え。
最高基準地価は14年連続で東京・銀座の明治屋ビルで1㎡あたり4,320万円。前年に7.7%だった上昇率が3.1%に抑えられたものの、バブル期のピーク価格3,800万円を超えており、過熱感も意識されつつある。
一方、大阪では、なんばの商業ビルが45.2%上昇率で、1㎡あたり2,440万円。心斎橋地区の店舗需要が旺盛であることが背景。
 

田中 誠

長野県生まれ
横浜国立大学経営学部卒業

アーレスリアルエステート

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