第19回 遺産の評価②

千葉 直愛

2019-10-29

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 今回は、前回に引き続き、遺産と評価された財産の「価値」が変動する場合に、これをどのように金銭評価するかという「遺産の評価」の問題を見てみましょう。

不動産の価値は、どうやって評価するの?


<CASE> 
遺産に不動産が含まれる場合、以下のいずれの方法でその価値を評価するのが妥当か。
①固定資産税評価額
②公示価格(地価公示価格)
③相続税評価額(路線価)
④地価調査標準価格



不動産の評価方法は、実に様々なものがあります。
遺産分割協議にあたって、そのうちいずれかの方法を採用しなければならないといった法律はなく、各種の評価額を参考にして、最終的には、相続人間の合意によって、評価方法及び評価額が決まることになります。

そこで、今回は、代表的な不動産の評価方法をご紹介していきます。


まず、①固定資産税評価額からです。
不動産を所有している人であれば、毎年、固定資産税を支払うことになりますので、馴染みのある言葉かと思います。
また、遺産分割調停の申立てに際しては、裁判所に対して固定資産評価証明書を添付資料として提出する必要があり、裁判所でも重視されている評価です。
ところが、固定資産評価額は、一般的な市場の売買価格よりも、低い金額となることが多いです。
その理由はいくつかあります。
まず、固定資産評価額は、3年に1度しか評価替えが行われません。景気の変動が激しい時期には、直近の時価を反映できていない可能性があります。
また、固定資産評価額は、この後ご紹介する「公示価格」の70%程度を目途に算出されているといわれています。公示価格の方が、より市場価格に近いケースが多いため、どうしても固定資産評価額が割安になる可能性があります。

そこで、次に②公示価格(地価公示価格)をご紹介します。
公示価格とは、国土交通省の土地鑑定委員会が、一定の標準地を定めて、毎年1月1日を基準日として公示する価格であり、毎年概ね3月ころに、官報掲載されます(新聞でも報道されます。)。
公示価格は、様々な不動産の評価方法を総合的に考慮したうえで、自由公開市場で取引が行われるとした場合において通常成立すると考えられる正常な価格として定められますので、流動性の高い地域の不動産評価に際しては、相続人間の合意を形成しやすい指標といえるかもしれません。

さらに、国税庁が、公示価格の80%程度を目途とし、毎年1月1日を評価基準として、③相続税評価額(通称「路線価」)を公表しています。遺産の住所地が分かれば、国税庁のホームページ上で検索して、当該遺産の路線価を算出することができます。
個別の物件についての金額を算出できること、固定資産評価額と異なり毎年評価替えが行われることから、遺産の評価にあたって相続税評価額(路線価)が採用されるケースもよくあります。

最後に、④都道府県地価調査標準価格(通称「地価調査標準価格」)があります。
地価調査標準価格は、都道府県知事が、毎年7月1日に、評価基準地点について公表する価格です。評価手法は②公示価格と似通る点も多いため、1月1日(公示価格の評価基準日)から半年間の価格の推移を確認する場合に有用と考えられます。
 
以上、様々な評価方法がありますが、不動産の価額は日々変動するものですので、遺産分割協議を円満に進めるにあたっては、一定の評価方法に拘泥するのではなく、複数の評価方法から多角的に検討し、協議をすることが有用となる場合が多いです。
  

以上

千葉 直愛

弁護士法人マーキュリージェネラル 所属  

アーレスリアルエステート

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