第31回 終活③ 終活の問題点

江幡 吉昭

2019-10-25

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前回は“新しい終活”と言われている「デジタル遺品」についてお話ししました。一番身近なものとして、皆さんがお使いの携帯電話・スマートフォンがそのままデジタル遺品になる可能性が高い、というお話でしたね。前回のお話を読んでいたただいた皆さんは、何か対策はお考えになりましたか?

終活の問題点について考える

さて今回は、終活を語るにあたって切っても切れないお話です。
それは「終活の問題点」についてです。今までお話してきたとおり、終活は家族に自分の思いを伝え、「争続」や「争族」にならないための準備をするという最大の目的がありますよね。さらに、その過程で自分自身の心とモノを整理できるので、これからの人生を前向きに生きていくこともできるようになる、というメリットがあると考えられています。だからこそ、私たちは終活を推進しています。
しかしながら、終活にも問題点があることも否めません。実際の現場では、ただただ明るい話だけではいかないもの事実ですので、今回はこのお話にしようと思います。
 
終活の問題点は大きく分けて以下の3点だと考えています。
①自分の死を意識してしまうこと
②家族との関係に変化が生まれることも
③手続きが煩雑なものもある
 
ハッとする事柄ではないでしょうか。分かっていたこととはいえ、いざ目の前に突き付けられると困惑してしまう事柄です。この3点を見るだけで終活自体に二の足を踏んでしまう方もいらっしゃるでしょうし、せっかく始めたのに筆が進まなくなってしまう方もいらっしゃいます。でも、避けては通れないのもまた事実なんです。問題を解決するため、しっかり受け止めていただければと思います。

自分の死を意識してしまうこと

まず第一に、問題点として多く挙がるのが、「自分の死を意識してしまうこと」です。
終活は自分の死を意識することが動機になるものですよね。このことから不安に陥ってしまう方もいらっしゃいます。例えば、最近ブームだからとちょっとだけエンディングノートをかじってみたものの、そのことが自分の死をリアルに感じさせるようになり、不安にかられてしまうのです。一度生まれた不安は、悩めば悩むほど膨らんでいってしまいます。

家族との関係に変化が生まれることも

物事の判断は個人の価値観で決まってきます。家族のため、自分が良かれと思ってやったことが発端になって、なぜか喧嘩に発展してしまったという経験は、多かれ少なかれ皆さんもお持ちだと思います。終活は、自分から家族へ向けて最後に伝えたいことを残す活動とも言えます。そんな大事な終活を行うことで、逆に家族との間に隙間風が吹くようなことがあっては本末転倒です。ですが、自分の価値観が色濃く出てしまう(押し付けてしまう)ことで家族との間に微妙な空気が生まれてしまうこともあります。

手続きが煩雑なものもある

終活で最もポピュラーなのものは、遺言書を書くことです。しかし、遺言書は決して気軽に書けるものではありません。法律的な縛りが多く、自分の死後、遺言書の形式が間違っていることが発覚すれば、法律的に無効になってしまいます。(当然、死後にやり直しすることなんてできません。自分の思いが無駄になる可能性も…)
 
以上のように、最近ブームだからと気軽に終活を始めようとしたものの、進めれば進めるほど、終活の落とし穴にはまってしまう方もいらっしゃいます。
そうした落とし穴にはまってしまいそうになったときは、まず一度立ち止まってみてください。きっとそれは「終活を自分一人で考えようとしていた」ことが原因だったということに気づくと思います。終活の問題点は、一人で悩んでいるだけでは絶対に解決しません。また、残念ながら「時間が解決してくれる」という言葉も終活には当てはまりません。
取るべき最良の方法は、まさに“相談する”ということだと思っています。一人で悩み、誰にも相談せず、自分の気持ちを一方的に伝えることは、ある意味では諸刃の剣です。可能な限り、事前に関係者に意見を聞いておくことが良い結果を生むことになると思います。関係者とは、もちろん「家族」と「専門家」です。自分の気持ちを共有して、少しずつ解決の方向へ進んでいくといいですよね。
長い人生を過ごしてきて、あっという間に終わる終活では、ある意味寂しい気もします。時間がかかるこその終活、それが自分が生きてきた証だ、という気持ちで取り掛かる終活もあっていいのではないでしょうか。

江幡 吉昭

法政大学卒業後、住友生命保険、英スタンダードチャータード銀行を経て、2009年株式会社アレース・ファミリーオフィス設立。アレース・ホールディングス代表。一般社団法人相続終活専門協会代表理事。
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