“家を相続したくない”急増する相続放棄

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こんにちは、事務局です。この前テレビを見ていたら空き家に苦しむ事例が出ていました。今後人口減少と都市の一極集中が増えてくればこのような話も頻繁に出てくるのかもしれません・・・
 
今年、発表された統計で、空き家件数がまた過去最多を更新し、およそ850万戸にのぼりました。
この空き家をめぐって、新たな課題として浮上しているのが相続放棄です。
そもそも相続放棄は、親が残した借金の相続などから子どもを守るため、民法で定められた手続きです。
これが今、空き家対策の障害になったり、思わぬ親族間のトラブルを引き起こしています。

相続放棄をしなかったばかりに

50代の男性Aさんの事例です。
Aさんは一軒の空き家の管理に頭を悩ませています。
その家はもともとAさんの叔父の家。Aさんは一度も住んだことはありません。
叔父の親族が相次いで相続放棄をしたため、Aさんが管理することになってしまったのです。
7人兄弟の長男だった叔父。その叔父が数年前に不慮の事故でなくなり、本来第一に引き継ぐべき息子が相続を放棄。そうなると、相続権は兄弟に等しく及びます。しかし、県外に住む兄弟は全員、相続を放棄しました。
同じ市内に住むAさんの母親(=叔父の妹)だけが様々な事情から相続放棄の手続きを取っていなかったため、Aさんと母親が管理することになってしまったのです。
愛着も責任感も持てない叔父の家。ほとんど手入れもしてきませんでした。
食器や家具も当時のまま放置されています。
“住んだこともない家にお金をかけるのは(お金を)捨てるようなもの。運が悪いと思いました。こんなふうに空き家を持ってしまったことに…”と話すAさん。
不動産会社を通して、もう何年も前から売りに出していますが、まったく買い手が付きません。
もし火災でも起きれば、自分が責任を問われることになるため、Aさんは先月、この家を解体することを決めました。解体工事にかかった費用は150万円。仮に土地が売れても、解体工事にかかった費用を回収することはできないと告げられています。
“本当は兄弟たちに権利があるわけだから、誰がどれだけお金を出しますかという話になるべきだ。全然納得はしていない。”とAさんは言います。

行政代執行により空き家を解体するケースも増加

大阪市にある相続放棄を専門に扱う司法書士事務所の話ですが、この数年、空き家の荒廃が社会問題となる中、借金ではなく、家の相続を放棄したいという相談が急増しているといいます。受注する案件のうち、不動産に関するものがおよそ3割にのぼっているとのことです。
空き家の相続放棄は、自治体を悩ませる問題にも発展しています。
とある自治体では、昨年、相続放棄をめぐって前例のないケースに直面しました。
一軒の荒廃した空き家が大きく傾き、隣接する家屋にもたれかかってしまい、非常に危険が迫っている状況が発生したのです。この空き家は所有者が亡くなったまま10年にわたって放置されていました。
戸籍を調べると相続すべき親族が21人もいることが判明しました。                                     
しかし、戸籍を調べる中で、相続放棄をしていた人、あるいは相続放棄をする人が相次ぎました。
21人のうち、連絡がついた20人全員が相続放棄の手続きを取ったのです。
相続する人がいなくなった不動産は、国庫へ帰属させる手続きがあります。
しかし、手続きが煩雑で、高額な費用を要するため、うまく機能しておらず、所有者がいなくなった家もそのまま放置されているのが現状です。
この自治体は異例の対応に踏み切りました。
今春、行政代執行により、やむなく強制的にこの空き家を解体。税金で支払われた解体の費用は回収のめどが立っていません。
“今後、行政が税金でなんとかしてくれるだろう。だから管理を放棄してしまおうという考えを持たれてしまっては困る”と自治体の担当者は言います。
 

相続放棄による空き家問題を起こさないために

全国的に広がっている空き家の問題。
その中でも相続が放棄されてしまって所有者がいなくなってしまった物件が急増しています。
「空家等対策の推進に関する特別措置法(空家法)」が施行されてからのこの4年間で、全国の自治体が代執行により解体した165件の空き家のうち、124件が所有者の特定ができない空き家でした。
空き家の相続放棄は定められた権利ですので、一概に否定はできませんが、制度の見直しが必要ではないかと指摘する声も上がっています。
残念ながら、“住まいの終活”をすることが必要になった時代と言えます。
いずれにせよ、いざ相続が発生してからではなく、生前から準備をしておくことが大切です。
相続が発生する前の段階から、被相続人と相続人、あるいは親戚などの家族との間で、将来、家をどうしていくのかを共有化していくことはもちろん、具体的には、自治体の空き家対策窓口、地域の不動産会社、空き家問題に取り組むNPOや相続の専門家などに生前から相談することで解決できることも多いはずです。

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