第9回 「任意後見と遺言」その3~任意後見とは~

江幡 吉昭

2018-09-25

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成年後見というのは二つの制度があり、前回はそのうちの一つ、法定後見について記載しました。今回はいよいよ任意後見について見ていきたいと思います。
 
法定後見が所謂「頭の判断能力が鈍った場合の後見契約」に比べて、任意後見は「そうなる前に利用する成年後見制度」です。この任意後見は「意思能力が弱る前に自分がもし頭も元気ではなくなったら、任意後見人(例えば長男)に代理権を与える。」というものです。
よって任意後見契約は「意思能力が弱るまでは発動しない」のです。頭の調子が鈍る前には何も起きない保険のようなものと言えるのかもしれません。
よって、とりあえず頭が元気なうちに任意後見契約を作成しておいて、元気なままであれば作動しないし、万が一のときは長男等の後見人に全権委任したという契約になるわけです。
 
一般的には「被後見人に父などの親」、「任意後見人に長男等の子供」が公証役場に行って公正証書にて任意後見契約と、財産管理に関する代理契約を締結します。以後、代理人として様々な取引等を後見人が行います。また任意後見は「登記」されるということも非常に面白い制度と言えるでしょう。
 
任意後見のメリットとしては、法定後見とは異なり事前に契約の中に取り決めておけば生前贈与も可能になったり、財産の処分運用に関しての自由度が高いです。
(法定後見では、生前贈与は原則不可、財産の処分運用に関してかなり大きな制限が加えられます。)また後見人を親族がすることができますので(任意後見監督人という第三者が付きますが)その点でも法定後見よりはご家族みんなの抵抗感は少ないかと思います。
 
もし、万が一後見契約をした親が元気な時に、気が変わった場合、後見人を途中で変更することも出来ますので非常に柔軟性が高い制度だと思います。
 
一方で、後見人に託せるのは代理権のみであり、法定後見のような3つの権利を託せるわけではありません。
また、自分の代わりにやってもらいたいことを事前に契約で決めておく必要があるので手間と言えば手間。またそれらを反映してか、実務でも任意後見契約は1万件なるも、法定後見は3.2万件(平成27年)も契約されています。
 
最後に気になる費用ですが、

以上の通りとなっています。意外と安価にできると思った方も多いのではないでしょうか。世の中には終活というとモノの整理やエンディングノートというイメージがありますが、任意後見を契約するのも万が一に備える非常に大事な行動と言えるのではないでしょうか。
 
次回は任意後見と遺言などをトータルに見ていきたいと思います。

江幡 吉昭

法政大学卒業後、住友生命保険、英スタンダードチャータード銀行を経て、2009年株式会社アレース・ファミリーオフィス設立。アレース・ホールディングス代表。一般社団法人相続終活専門士協会代表理事。
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