第7回 「任意後見と遺言」その1

江幡 吉昭

2018-09-03

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来年民法改正が予定されていますが、それに伴い遺言ブームが起きると考えています。しかし、この遺言を完全にするためには生前遺言を書くのはもちろんのこと、任意後見を設定すべきではないかと考えています。そこで、今回は何回かにわたって、任意後見と遺言、中でも任意後見にスポットを当てて話をしてみたいと思います。
 
一般的に「後見」とか「後見人」というとみなさんは意思能力が弱ってしまってから後見人を設定するのは成年後見の中の「法定後見」をイメージするのではないでしょうか?(そもそも成年後見という言い方の方が通りがいいかもしれませんが。)
 
法定後見と異なり、この任意後見は「意思能力が弱る前に自分がもし頭も元気ではなくなったら、任意後見人(例えば長男)に代理権を与える。」というものです。
つまり任意後見契約は意思能力が弱るまでは発動しません。例えるなら弱る前には何も起きないので保険のようなものです。
よってとりあえず頭が元気なうちに任意後見契約を作成しておいて、元気なままであれば作動しません。
 
任意後見の契約自体は公証役場で公正証書という形で行います。
任意後見のメリットとしては、生前贈与が可能になったり、財産の処分運用に関しての制限はありません。
(法定後見では、生前贈与は不可、財産の処分運用に関してかなり大きな制限が加えられます。)
そのような柔軟な対応が可能な任意後見をもっと使うべきではないでしょうか。
『死後の財産分割等の意思表示は遺言』ですが、『生前に財産分割処分等を行う(正確には長男や長女等が代理しますが。)のが任意後見』
と言えると思います。
 
死後に効力が発生する遺言と生前に効力が発生する任意後見の両方をセットすることで、その方の財産を守ることにもつながるのではないでしょうか。
次回以降、複数回にわたって任意後見についてもう少し掘り下げ、法定後見との違いまでお話しできればと思います。

江幡 吉昭

法政大学卒業後、住友生命保険、英スタンダードチャータード銀行を経て、2009年株式会社アレース・ファミリーオフィス設立。アレース・ホールディングス代表。一般社団法人相続終活専門士協会代表理事。
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