不動産の名義変更 その① 遺言書がない場合

佐久間 寛

2018-08-01

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不動産を所有されている方が亡くなると、不動産の名義変更の手続きが必要となります。一般的にこれを「相続登記」といいますが、遺言書がある場合と、遺言書がない場合とで、相続登記の手続きや必要書類が大きく変わってくることとなります。
今回はまず遺言書がない場合の相続登記の手続きをご案内します。


 

1.相続人の確定

相続手続きの第一歩として、まずは戸籍謄本から法律上の相続人(「法定相続人」といいます)を確定させなければなりません。故人に前妻との間に子どもがいたり、認知した子どもがいたりすると、これらの方たちも法定相続人に含まれることとなりますが、これらは戸籍謄本を調べればわかるものとなります。
戸籍謄本は、本籍地がある市区町村の役所に請求することになりますが、遺言書がない場合の相続の手続きの際には、法定相続人を戸籍上確定させるため、故人が生まれてから亡くなるまでのすべての戸籍を収集しなければなりません。
例えば、結婚をしたり、本籍地を他の市区町村に移動(転籍)したりすると、新しく戸籍が作られることになりますが、これらを含め、全ての戸籍が必要となりますので、一般的には何種類かの戸籍謄本(正式には「除籍謄本」や「改製原戸籍」という名称のものになります。)が必要になってきます。
われわれ司法書士もご相続の相談を受ける際に、最初の戸籍謄本の収集の段階でやり方が分からなくなってしまう方も多く、難しければ専門家にご相談された方がよいかと思います。

2.遺産分割の協議

戸籍謄本がすべて揃い、法定相続人が確定できたら、実際に不動産を相続人のうち誰が取得するかを決める話し合いが必要となります。これを「遺産分割協議」といいます。
 遺産分割の協議は、相続人全員がその内容に合意しなければ成立しませんので、法定相続人のうち一人でも納得しない方がいれば、先に進まないことになります。
もし遺言書があれば、遺産の分け方は遺言書の内容に従うため、法定相続人全員による遺産分割協議は必要ありません。
 最終的に相続人全員が遺産分割の内容に同意し、協議が成立すれば、協議の内容を記した「遺産分割協議書」という書面を作成して、これに法定相続人全員が実印(印鑑登録証明書と同じ印影の印鑑)を押印します。これにより遺産分割の協議が完了します。

3.法務局への相続登記の申請

遺産分割協議が整えば、あとは法務局への名義変更登記の申請を行うこととなります。
 具体的には、登記の「申請書」を作成し、必要書類を揃えて、不動産の所在地を管轄する法務局に提出することとなります。
 遺言書がない場合の必要書類は次のものとなります。
(事案により必要書類が異なるケースもありますのでご了承下さい。)
 
 【法務局に提出する書類】
 (法定相続人が配偶者と子どもの場合)
  ① 登記申請書
  ② 遺産分割協議書
  ③ 故人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本
  ④ 故人の住民票の除票
  ⑤ 法定相続人全員の戸籍謄本
  ⑥ 法定相続人全員の印鑑証明書
  ⑦ 不動産を相続する方の住民票
  ⑧ 不動産の固定資産評価証明書
  ⑨ 登録免許税(※)分の収入印紙
 
 (※)登録免許税とは登記申請の際に法務局に納める税金となります。相続登記の場合は、対象不動産の固定資産評価額×0.4%の金額となります。
 
 なお、故人に子どもがおらず、法定相続人が故人の兄弟姉妹である場合には、故人のご両親双方の出生から死亡までのすべての戸籍謄本が必要になったりと、揃える書類が非常に多くなります。
 
 上記のうち、1の「登記申請書」は法務局のホームページ等に書式が案内されておりますので、ご自身で行う場合にはご自身で作成して提出することになりますが、ご自身で作成するのが難しかったり、平日に法務局に行くことが困難な場合には、登記の専門家である司法書士にご相談されるのが良いかと思います。

佐久間 寛

東京司法書士会会員 登録第4599号
簡裁訴訟代理業務認定会員
出身  :長野県出身 中央大学法学部卒業
保有資格:司法書士、宅地建物取引主任者 

相続終活専門士

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