第7回 空家関連税制

油良 俊寛

2018-07-20

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近年、空家に対して固定資産税が上がるという報道を新聞等のメディアで目にすることが増えたかと思います。それは具体的にはどういうものなのでしょうか。
実際の法律の名称は、『空家等対策の推進に関する特別措置法』と言い、平成26年11月に施行されました。
これは、『適切な管理が行われていない空家等が防災、衛生、景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしており、地域住民の生命・身体・財産の保護、生活環境の保全、空家等の活用のため対応が必要』という判断のもと施行されたものです。
 
主に税制では、固定資産税と譲渡所得税に関わる部分の改正が多く見受けられました。それらを見ていきましょう。

Poiont1 特定空家等について

そもそも空家とは、どういったものでしょうか。上記の措置法では下記のように規定しています。
「空家等」とは、
建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。)をいう。ただし、国又は地方公共団体が所有し、又は管理するものを除く。(2 1 項)
とあります。
従来までは空家の固定資産税についても住宅用地の特例が適用されて税額が優遇されていました。しかし、今後は「特定空家等」に該当するとこの特例が適用されなくなり、税額が高くなります。
 
では「特定空家等」とはどういったものでしょうか。同じく措置法で下記のように規定しています。
倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態 
著しく衛生上有害となるおそれのある状態 
適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態 
その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態
にある空家等、とあります。
そして、特定空家等は、
・措置の実施のための立入調査
・指導勧告命令代執行の措置
という具合に調査があり、指導、勧告を経てなお応じない住宅用地が該当します。

Point2 固定資産税について

そもそも固定資産税とは、毎年11日時点で、市町村の固定資産課税台帳などに所有者として登録されている人が納税義務者となる地方税(市町村税)です。また東京23区では東京都が徴収します。
固定資産税は評価替えを3年に一度行いますが、2018年がその基準年度にあたります。2018年に決定した評価額が翌年、翌々年も適用されることになります。
ただし、通常の住宅も事業用の建物も同じ税額では通常の住宅に対して課税負担が重いということを鑑みて、住宅並びに住宅が建てられている土地に対しては固定資産税の優遇措置が設けられています。
 
住宅1戸につき200㎡までの『小規模住宅用地』:課税標準の1/6
住宅1戸につき200㎡を超えた部分である一般住宅用地:課税標準の1/3
※都市計画税はどちらも1/3
 
住宅であれば1/6に減額になる固定資産税も特定空家等に該当してしまうと、受けられなくなってしまい、固定資産税が上がってしまう、という事になります。

Point3 空家を売ったときの特例

そもそも空家は、親などから家を相続した場合に該当することが多く見受けられます。
元々自分の持ち物ではなかったのにもかかわらず、それを持ち続けていると固定資産税がかかり、売るとなると所得税がかかります。
その所得税のため、なかなか売ることを躊躇してしまいがちです。また今まであれば固定資産税は住宅用のためそれほど高くなく、その結果現状のまま放っておくことができたので、空家が社会問題化したという経緯があります。
 
そのため、相続した空家の所得税を減税する特例ができました。被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例といいます。
これは、相続又は遺贈により取得した被相続人居住用家屋又は被相続人居住用家屋の敷地等を、平成2841日から平成311231日までの間に売って、一定の要件に当てはまるときは、譲渡所得の金額から最高3,000万円まで控除することができる特例です。

油良 俊寛

兵庫県出身
神戸大学経営学部卒業

相続終活専門士

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