第6回 タワーマンションに係る税制について

油良 俊寛

2018-07-09

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平成29年度税制改正により見直された、タワーマンションに係る固定資産税の取扱いについて話をしたいと思います。

◎従前のタワーマンションへの課税方法

改正前のタワーマンションの固定資産税は、一棟全体の固定資産税を計算して、そのうえで、各区分所有者の専有床面積により按分する方法が採用されていました。
そのため高層階も低層階も、同じ面積であれば税額が同じでした。
また、不動産取得税も、固定資産税の評価額を基準として計算されますので、同様の結果となっていました。
 
ただし、実際の取引価格は高層階の方が高価であるのが現状です。
取引価格は高層階の方が高額にもかかわらず、低層階と固定資産税額等が同額というのは、納税者の不公平感を生んでいたわけです。

◎タワマン節税とは

高層階のタワーマンションの購入は、資産家の相続税対策として購入するケースが目立ち、いわゆる「タワマン節税」と呼ばれていました。
「タワマン節税」は、実際の販売価格と固定資産税評価額との乖離を利用した節税策です。
具体的には、相続開始前に高層階のタワーマンションを資産家が購入し、手持ちの金融資産をタワーマンションに組み替えることにより、相続税評価額を下げます。これは、一般的に固定資産税評価額は実際の時価より低く設定されているため、相続税評価額も実際の時価よりも低い価額となることを利用しています。
3億円でマンションを購入しても、土地建物を合わせて1億円の相続税評価額になる、ということもあり得ます。
この節税策を行うことで、相続税の負担を減少させ、さらには、相続後に売却することで時価に近い金額が戻ってくるとした場合、相続税だけ減税させることも可能でした

◎改正内容

改正内容の前に、タワーマンションとは以下のように定義されています。
・高さが60mを超える居住用の高層建造物(おおむね20階建て以上)
・複数の階に住戸が所在しているもの
上記の物件に関しての固定資産税の按分方法が変更されることになりました。
内容としては、地方税法上、タワーマンションは「居住用超高層建築物」の区分所有者が納付すべき固定資産税額については、実際の分譲価格を踏まえた按分方法により計算することとされました。なお、都市計画税についても同様の見直しがされています。
 
また、今回の改正は、タワーマンション全体の固定資産税は変えずに、
・階層別に補正率を設定し、
・高層階の固定資産税を高くし、
・低層階をその分、低くする
という形で案分する計算が行われます。高層階の固定資産税が上がるだけ、という訳ではありません。その分、低層階の固定資産税が下がります。
だいたい、一階上がることに約0.25%固定資産税が上がるという計算式になっています。例として、1階の固定資産税が1000の場合、40階の固定資産税は1100となります。
 
繰り返しになりますが、マンション1棟の固定資産税額(総額)の算定に関しては、今回の改正の前後で増減はありません。
 
新築タワーマンションのみが対象
今回の改正は、平成29年1月2日以後に新築され、平成294月以降に売買契約したタワーマンションが対象です。
既に購入済みの物件については、今回の改正の範囲外です。
   
なお明らかな節税対策のための購入は税務署から否認される可能性があります。
国税不服審判所でも判例があり、タワーマンションの取得・保有の状況や経緯によっては、その家屋部分は、通常の固定資産税評価によらない評価(時価など)にされることがありえます。
そのため、タワーマンションの購入による節税を安易に考えず、まず専門家に相談することをおすすめします。

油良 俊寛

兵庫県出身
神戸大学経営学部卒業

相続終活専門士

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