所有者不明土地の相続登記義務付け、法制審議会諮問へ

佐久間 寛

2019-02-18

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2019/2/9付け日経新聞朝刊にて、次のような記事がありました。
「政府は所有者不明の土地問題の抜本改革を急ぐ。山下貴司法相は8日、法制審議会(法相の諮問機関)に民法と不動産登記法の見直しを諮問する意向を表明した。相続登記を義務付け、所有権を放棄する制度の創設を検討する。不明土地の「予備軍」を減らし、土地の有効活用を促す。実効性をどう確保するか、既にある不明土地の解消につながるかなど課題は多い。」
 
当お役立ち情報でも所有者不明土地の問題を指摘しました(2018/9/12付け、所有者不明土地に対する特別措置法と相続登記の登録免許税の免税措置、 http://egonsouzoku.com/magazine/74.html)。
 
実際に、「多くの土地を保有する資産家が亡くなり、相続人である兄弟姉妹が相続登記をしないで長年放置。その後順々に兄弟姉妹が亡くなり、相続登記されないまま、権利者は数代先の相続人にまで移行し、相続人一同の同意を得ることに行き詰まってしまい遺産分割協議が進まない」という事例に立ち会うことも頻繁にあります。こうなると絡んだ糸を一つずつほぐしながら手続きを踏まないと先に進まない事態となり、多大な労力が必要となります。このような事態が増加するのを防ごうという目的です。
 
今回の見直しのポイントは以下の4点となります。(秋の臨時国会に向けて改正案の提出を目指す)
  1. 相続登記の義務化
  2. 所有権放棄の制度を創設
  3. 遺産分割協議に期限
  4. 相続財産管理人を土地ごとに選任

相続登記の義務化

 被相続人の死後、相続人が登記簿上の名義書き換えをしないまま放置すると、外部から権利者が誰なのかがわからず、売買や賃借など土地取引を妨げる要因にもなります。
 そのため相続の発生を正確に反映させるため相続登記の申請を義務化します、また、登記していなければ罰金を課すことも検討します。
 さらに登記所が死亡情報を取得できる仕組みも作り、登記簿上の名義を最新の状態に更新しやすくします。

所有権放棄の制度化

現行民法は土地所有権の放棄を認めていません。所有権は土地の適正な管理や税金の支払い義務とセットになっているためです(税逃れや管理怠慢などを防ぐためです)。
 ただ、実態では、遠方で管理できないという実情もあり、どのような条件で放棄を認めるかが焦点となります。
 受け皿としては、自治体、国、土地を活用したい人など、所有者が合意すれば所有権を移せる制度を検討中です。

遺産分割協議に期限

 遺産分割協議の時期について、これまでは制限がありませんでしたが、3年から10年の期限の案が出ており、適正な期限を見極めます。また、改正法施行前の相続も対象にするかも議論します。
 期限経過後は、法定どおりの取り分に確定します。また、相続人が共有し、取引の窓口となる人を決められるようにします。

相続財産管理人の制度の見直し

現行制度では、債権者が相続財産管理人を選任してもらうため、最大100万円の費用負担と相続人調査等で計10か月の公告期間がかかります。
 改正後は土地ごとに管理人を選任できるようにして費用を減らし、調査期間も3か月から5か月に短縮します。
 これまでは同じ所有者のすべての土地を調べる費用や時間が障害となり相続人不在のまま放置される土地も多かったため、費用、期間をどれだけ減らせるかで、利用が広がるかどうかが分かれそうです。

佐久間 寛

東京司法書士会会員 登録第4599号
簡裁訴訟代理業務認定会員
出身  :長野県出身 中央大学法学部卒業
保有資格:司法書士、宅地建物取引主任者 

アーレスリアルエステート

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