第16回 相続税の2割加算

田中 誠

2018-11-21

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相続税の2割加算とは、

相続税を支払う人が、一親等の血族及び配偶者以外である場合には、各人の算出相続税額に、その20%相当額を加算しますというものです。
 
この制度の趣旨は、孫が財産を取得すると相続税を1回分免れること(一代飛ばし)や、相続人でない人が財産を取得することは偶然性が高いことなどから、相続税の負担調整を図る目的で加算を行うものであるとされています。

相続税の2割加算の対象者、

1、兄弟姉妹、
2、孫(代襲相続人を除く)、
3、甥、姪、
4、内縁関係の妻、友人、知人など相続人でない人、
 
・上記1-3は、故人(被相続人)の法定相続人であったとしても、2割加算になります。
・被相続人の養子は、一親等の法定血族になりますので、原則2割加算の対象とはなりません。ただし、被相続人の孫が養子となる場合(孫養子)は、代襲相続人の地位であるときを除き、相続税額の2割加算の対象となります。
・相続時精算課税適用者が、相続開始の時において、被相続人の一親等の血族に該当しない場合であっても、相続時精算課税に係る贈与によって財産を取得したときにおいて、被相続人の一親等の血族であったときは、その財産に対応する一定の相続税額については加算の対象になりません。
 
2割加算されない対象者、
 
  1. 配偶者、
  2. 父母、
  3. 子(養子を含む)、
  4. 代襲相続である孫、

相続税額の加算金額の計算、

相続税の2割加算が行われる場合の加算金額=各人の税額控除前の相続税額×0.2
相続時精算課税に係る贈与を受けている人で、かつ、相続開始の時までに被相続人との続柄に変更(養子縁組の解消等)がある場合には、計算が異なります。

2割加算を考慮した対策、

  1. 一代飛ばし、
     子に相続させるのではなく、あえて2割加算されてでも、遺言等で直接孫に渡すことで、一代飛ばしで財産を承継させることも一考です。
     同様に、お子さん、親御さんがいない方(兄弟姉妹となる方)は、遺言等で、直接甥・姪に渡すことは2割加算されてでも、一代飛ばしで財産を承継させる方が、税務上有利になる可能性があります。
  2. 養子縁組、
     孫を養子にしない限り、養子も一親等の血族として、2割加算の対象外となります。基礎控除600万円が増える効果もあります。
    ただし、子も親もおらず、法定相続人が兄弟姉妹や甥姪で複数いるような場合は注意が必要です。
     単独相続にしようと、甥または姪1名を養子にすると、法定相続人が複数から養子1名のみになります。
     つまり、相続税の算定における基礎控除枠が大幅に減ってしまうので、相続税の納税義務が発生したり税額が増える可能性があります。

田中 誠

長野県生まれ
横浜国立大学経営学部卒業

相続終活専門士

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